「チェーン式聖書」をオススメします。 索引を使えば、聖書が立体的に見えてくる

能勢 誠
能勢 誠
カルバリー・バプテスト 豊田キリスト教会牧師

 聖書事典と注解がセットになった聖書って出ないかなあと、以前から思っていた。

 その願いがかなったのか、一九八一年に「チェーン式聖書」(正式名『聖書 注解・索引・チェーン式引照付き』)が出版された時は、いの一番で購入したのを覚えている。それ以来、愛用の聖書として手放せない。

 当初は信徒として、聖書研究をする際に重宝していたが、ここ数年、神学生を経て牧師となってからは、少し使い方が変わってきた。注解のほうも参考にしているが、それよりも巻末の索引の使い方に目覚めてきたのである。

 以前は使いにくいなと思っていたが、どうしてどうして。これを使えば、聖書が以前よりも立体的に見えてくることに気がついた。まだまだ使いこなしているとは言い難いが、重宝している。

 例えば「救い主」を引いてみると、まず「A描写」として、ずらっと十四項目にわたり分類され、それぞれの該当聖書箇所が記されている。同様に「B務め」、「Cキリストが真のメシヤである証拠」、「Dその他の預言」と整理されている。つまり、単なる索引ではないのである。それらをひも解いていく時、聖書を体系的に見ることができるわけだ。

 だまされたと思って、ぜひ参考にしてみてほしい。「なるほどね」と言ってくださるだろう。

 ときどき、引照から引照へ連鎖していって(これが、まさにチェーンなのだろう)、時間を忘れてしまう時があるのが目下の悩みである。まあ、これも聖書を読む楽しさのひとつではないかなと思って、楽しんでいる。

 もちろん、これ一冊で足りるというわけではないが、頼みになる一冊である。聖書の世界が以前にも増して深まってくるだろう。聖書通読が楽しくなることも、大いに期待できる。

 購入してから二十数年が経った。ずいぶんと使い込んだせいで表紙が取れてしまったが、大切な逸品だ。第三版の「チェーン式聖書」が出るのを心待ちにしている。