『レフトビハインド』が語りかける福音のメッセージ (中段)

『レフトビハインド』シリーズ
編集部編

●ブルース・バーンズ牧師は語る

 本文中では登場人物の一人ブルース・バーンズによって明確にキリストによる救いのメッセージが語られる。

 愛する妻と息子を消失事件で失い、悲嘆にくれながら、事件は、敬虔なクリスチャンであった妻がくり返し話していた「携挙」であり、自分は取り残されてしまったのではないかと気づくレイフォード・スチール。いったいこれからどうすればよいのか? そんな疑問を胸に、ようやく再会した娘クローイとともに、妻の教会に向かう。そんな二人を迎えたのは、同様に取り残されていた牧師ブルース・バーンズだった。彼は、自分は本物のクリスチャンではなかったと告白する。

(以下『レフトビハインド』からの引用)

 レイフォードは日ごろから正確に筋道立てて話をするたちなので、もう少しつっこんで聞いてみた。

「では、あなたは何をしたんですか。そして、わたしの妻は何をしたんですか。妻は何をしたから、本物のクリスチャンに、つまり、その――」

「救われたのか、と?」

 ブルースが助け船を出した。

「そう、それをぜひ知りたいんです。あなたの言うことは正しいと思います。今はわたしも、救われることの意味がわかったと思うし、クローイにもそれは話してあるんです。知りたいのは、わたしたちが何をすればいいのかということなんですよ。つまりですね、その……どうしたらひとりの人間がこちらの岸から向こう岸へ渡れるんですか。わたしたちは明らかに救われていなかったので、本当のクリスチャンだった愛する家族を失ったまま生きなければならなくなりました。それなら、どうしたら本当のクリスチャンになれるんですか」

「順を追って説明しますよ」

ブルースはつづけた。(中略)

 クローイは壁にもたれて立ち、相変わらず腕を組んだままで、ふたりの話を聞いている。

 ブルースはなおもつづけた。

「(中略)まず最初に、神の目で自分自身を見ることが必要です。聖書には、すべての人は罪を犯した、義人はひとりもいない、と書いてあります。また、自分で自分を救うことができない、とも書いてあります。良い行ないをすれば神のもとに、または天国に行けると思っている人がたくさんいますが、おそらくそれが最大のまちがいでしょう。その辺を歩いている人に、どうしたら天国に行けるか聖書や教会は何と教えていると思いますかと、質問してごらんなさい。まあ十人のうち九人は、何か良い行ないとをするとか、正しい生活をするとか答えるでしょうね。

 もちろん、わたしたちはそうするように求められています。でもそれは、救いを獲得するためじゃありません。救ってくださった神への応答として、そういうことをするんです。聖書は、救いはわたしたちの行ないによるのではなく、神の憐れみによる、と言っています。また、わたしたちはキリストにある恵みによって救われる、それは自分を誇らないためだとも言っています。

 イエスは、わたしたちの罪を取り去り、わたしたちの代わりに罪の代償を支払ってくださったんです。わたしたちが支払わなくてもいいようにです。罪の代償は死です。イエスはわたしたちを愛してくださり、代わりに死んでくださったのです。自分が罪人であることを認め、十字架での救いの賜物を受け入れますと告白すれば、イエスはわたしたちを救ってくださいます。わたしたちは義とされ、闇から光へ、失われた者から見いだされた者へと変えられるのです。聖書は、イエスを受け入れた者には、神の子どもとなる特権が与えられると言っています。イエスは神のひとり子で、わたしたちは憐れみによって救われた神の養子です。それゆえに神と関係を持つことができ、永遠の命が与えられます。イエスが罪の代償を支払ってくださったので、わたしたちは罪のゆるしをいただけるんです。」(218-220頁)