こころに写るもの 9 音楽の力

こころに写るもの9
岩渕まこと

 先日興味深いDVDをいただきました。そこには音楽と脳に関する研究が収録されていました。それによると胎児がお腹の中にいる時に聴かせた音楽を、生まれた後で聴かせてみると、その音楽に特別な反応を示すそうです。また人は赤ちゃんの時から音感を持っているそうで、DVDにその実験の様子が収録されていました。赤ちゃんに短い旋律を何度か繰り返し聴かせてから、間違った音を一音入れた旋律を聴かせてみます。するとその箇所で赤ちゃんがニッコリと嬉しそうに笑いました。
同じくお年寄りになって認知症になった方も、音楽脳は最後まで活動しているとのことで、昔歌った歌の旋律の間違いがわかったり、歌い出したりするそうです。
中学の音楽の先生が「音楽は一日中生活の中にあるでしょう」と話してくれたことがあります。クラスの皆で、「テレビの番組にもあるなあ」とか「デパートでも聴こえてくるなあ」と感心していた事を思い出します。
聖書に最初に登場する三つの職業をご存知ですか。それは家畜を飼う者、竪琴と笛を奏する者、鍛冶屋さんです(創世記4章)。これが生活の基本になる三本柱だとすると、その真ん中に音楽が置かれていることは興味深いことだと思います。どうりで私たちの生活に音楽が深い関わりを持っているはずです。
冒頭で触れたDVDでは、音楽は人と人を結び付ける力があると言っていました。行進曲や社歌、校歌などがわかりやすい例だと思います。このことを賛美歌に置き換えてみるとどうでしょうか。賛美が人と神とを結びつける大切なパイプのひとつ、ということができるかもしれません。まさに賛美しつつ主の門に入れですね。