キリスト者学生会de座談会! 【後篇】クリスチャンホームの
良いところ、悪いところこれから、
戦争なんて起きないよね?(2)

大嶋重德 
KGK(キリスト者学生会)主事

Dさん 私は松原湖のキャンプです。小学生のときから毎年参加していて、高校生からは奉仕をしていました。でも、高三のときに教会が嫌いになって、「神様はいない」って教会を離れたんです。でも毎年行ってたから、夏になると声がかかるんですよね、奉仕者が足りないって。私が教会に行っていないというのを知らないのもあったけど(笑)。そのつながりは断たなかった。

A君 大学でKGKの集まりに参加して、自分で本当に考えて信じると決めた同世代の人、ちょっと上の先輩に出会ったことです。良い感じに生きている人に出会うのは、衝撃的でした。どうせどっちか決めるなら……。決着をつける意味でも聖書を読みましたね。

Cさん 教会には同世代の子がいなかったんですけど、キャンプで聖書を読んでるって子と出会って、何してんのって思ったんですけど……。そのとき知り合った友達は今も支えになっています。親からの声を聞けないときも友達の声なら聞けるかな。そのキャンプは、部活だから行けないって言っていたのに、親に「二日目からなら行けるでしょ」って無理やり行かされたんですけどね(笑)。

大嶋 親が信仰継承として、同世代と出会わせてくれたんだね。やっぱり同世代がどう信じているかは大きいね。

B君 ぼくは親からキャンプに行くように言われなかったし、家庭礼拝もしてないんです。もっとちゃんとしてほしかったと思う。でもある日、朝早く起きて父親が祈っているのを見つけて、そしたら母親に「毎朝あんたのために祈っているんだよ」って言われて感動したことがあります。何かをしてくれたというより、信じている背中を見せてくれた。あと、遊んだりして関係を築いてくれました。信仰継承で何か気をつけたことがあるかを聞いたことがあるんですが、ひとつは、祈ること。ふたつめは、関係を築くこと。信頼関係がなければ通じないからって。親がやってくれたことと、親にしてもらいたかったことを自分もしたいですね。

Dさん うちはいい感じの放任主義でしたが、姉とのバトルがすごくて、親は悩んでいました。姉が教会に行かなくなったのを見て、どこで子育てを間違ったのかなって。あなたのことは何も心配してないから、って言われたから、私はしっかりしなきゃってプレッシャーはあったけど、それがうまくはまったのかな。親ならしっかりしてって思ったこともあるけど、良くも悪くも素の姿を見せてくれていました。

Cさん うちは毎朝、学校に行く前に親が玄関で祈るんですけど、それを友達に話すと、異常なんだなって(笑)。高校時代は本当にいやでしたね。自分が信じていないものに祈るってなんだろうって。あと祖父が牧師なので、私たちのことを祈っているのを教会員から聞くんです。最近は思ってくれてるんだなってわかるようになりましたが。今では私も、外出するときの祈りは子どもにしてあげたいし、無理やりキャンプには連れて行かれたのもよかったけど……。でも、いちばん上のお兄ちゃんも親にきつく言われていたけど、それで教会に行ってないから、どっちがいいのかなとは思う。

大嶋 きつく言うか、きつく言わないか……。どっちも後悔があるよね。

A君 なんか、親に簡単に答えを言われそうなのがいやだったのかな。ぱぱぱって簡単に答えられると、話したくないって思う。祈りなさいって言われたら、「やっぱり」って(笑)。自分の子どもが悩んだら、信仰をもちつつも、一緒に悩んでいけたらと思います。

Cさん 親が教会学校の先生というのもいやだったし、キャンプでわかち合いとか聞かれるのもいやでした。でも聖書を読む同世代に出会って、大学入学前の春に信仰をもって、去年洗礼を受けました。それまでは、教会も家族もきらいだったけど、救われたことで、いろいろなことが見えてきました。

B君 ぼくも救われた後にわかりました、祈りが大事だなって。救われた後に徐々にわかってきて、また疑問が生じて、解決されて、壊されて、築き始めて、そのくり返し。信仰の確立は大きいです。親が信じてるから、自分も信じているって思っていると、親に支配されているって感じてしまいます。自分でしっかり信じて、信仰が確立すると、親は親、自分は自分って思える。

A君 ぼくは年齢的な問題と、信仰的な問題は同時期だったので、どちらも大きかったです。ただ信仰をもつことで、信仰者として親と対峙することができたかなとは思います。あと、大学で牧師の親元を離れて、違う教会に通えたっていうのは大きいと思います。牧師の子どもとしてではなく教会に行く、その距離感がよかった。ぼくが牧師になったら、子どもは外に出してあげたいなって思いますね。

大嶋 自分の名前で生きる場所の存在は大切だよね。神様を信頼して、子どもを送り出していきたいね。

※みことば大会……みことばを暗唱する大会。
※『おかんとボクの信仰継承』には、性的なテーマに関する大嶋主事の青年期のエピソードも。
※松原湖のキャンプ=毎年、松原湖バイブルキャンプ(長野県)で行われている日本同盟基督教団が運営する超教派キャンプ。
http://www.matsubarako.com/