神津 喜代子
日本バプテスト教会連合　大野キリスト教会　主事

大切な人たちへ贈りたい”祝福”

　佐藤彰先生のお名前を知ったのは、今から二十八年前、私が四十歳で献身し、東京・中目黒にある聖契神学校に入学した年のことです。そこで出合った一風変わった題名の『教会員こころえ帖』の著者が佐藤師でした。ご自分が牧会されている教会の信徒のために書かれたテキストだと聞きました。佐藤師は一九五七年生まれですから、私より十五歳もお若いことになります。つまり私が献身した時、先生はまだ二十五歳。その若い牧師の書いた変わった題名の著書が神学校で出合った最初のテキストだったのです。それはそのまま、私の「（牧会）こころえ帖」になりました。その後セミナーや講演会で何度も佐藤師に出会いましたが、しなやかに両手をやさしく振りながらお話するあたたかいしぐさは変わりません。謙遜で誠実で心のこもった口調もまったく変わりません。その佐藤師が、祝福に満ちたかぐわしい香りがするような本書を出版されたことを心から嬉しく思う一人です。本書は、聖書全体から選び抜かれた祝福の聖句を力強くあたたかく包み込むように解説する九十ページ余の小さな名著です。時おりでてくる「仕切りなおし」「リセット」という小気味よい言葉、そして、最初に出合った「たぎるような神の熱い思い」という書き出しの言葉、パウロでなくとも「目からウロコ」の快感と衝撃を与えてくれます。久しぶりに私のデボーションブックに大切な一冊が加わりました。最初一気に読んでしまった私は、間を置かず、今度はゆっくりと噛み締めながら二度目を味わいました。本書は、信仰入門書であり、牧会者の霊の糧でもあり、どなたにもお勧めしたい一冊です。どうぞあなたの大切な子どもたち、孫たちにもプレゼントしてほしいと思います。もし彼らが若すぎて手に取るのがたとえ数年先だったとしても、必ず座右の銘となることでしょう。この題名に込められた愛と祝福が、この時代の日本を縦断し、潤いといのちの息吹を与えてくださいますように。神は「一人ひとりに熱いエールを送っておられます」