ブック・レビュー 『しあわせな結婚レッスン12』

『しあわせな結婚レッスン12』
平野 耕一
ホライズンチャペル 牧師

結婚は過激な異文化体験。キリスト教結婚カウンセリング本

 結婚は男女の異文化体験です。日本人青年がケニヤのサバンナに住む民族と生活している様子がテレビで報道されていました。それは過激な体験でしたが、結婚も同じように過激な異文化体験です。

 異文化体験ということばは、せまい意味では、他国の文化を体験するという意味ですが、広くは対照的な二つのものが交流することにも用いられます。

 「結婚においていちばん危険なことは、あなたが考えてもみないこと、“ふつう”だと思いこんでいることなんです」と著者のジョナサンは書いています。

 ジョナサンはアメリカ人、その妻の理恵さんは日本人ですから、まさに二人のコミュニケーションは異文化体験そのものですが、そうでなくても違う背景で育った男女が結婚するということ自体が異文化体験なのです。

 たとえば、ジョナサンは六人兄弟の末っ子で、理恵さんはひとりっ子。このような違いからもいろいろな面でスッキリしないことが起こります。

 タイトルにもあるように、この本はしあわせな結婚をしたい人のためのキリスト教結婚カウンセリングの本です。

 夫と妻の役割、結婚当日のアドバイス、結婚に幸せを感じることができない人のために、結婚したいと思っていても相手がいない人へのアドバイスなど具体的な十二のレッスンは、きっと、これから結婚する人たちに、すでに結婚して長い人たちにも助けになるでしょう。レセプションなどで使える「ミセス・ウィルソンのハッピー・レシピ」も収録されています。

 この本は、月刊『百万人の福音』で一年にわたって連載された「結婚のるかそるか」に加筆しまとめられたものです。みなみななみさんのまんがによって、著者が伝えたいポイントが表現されています。それがとてもわかりやすく、ユーモラスです。楽しく読めて、具体的な気づきがたくさんある本です。