ブック・レビュー 『互いに罪を言い表し、互いのために祈りなさい Life Transformation Group』

『 実を結ぶリーダーシップ 』
益田 良一
日本福音キリスト教会連合 グレースコミュニティ牧師

「建て上げと宣教」聖書的原則実践の書

私たちは、一九九三年にセルグループチャーチのシステムと出会い、それが聖書的原則から出ていることを知った。その鍵は「建て上げと宣教」。ロブ・ローガン先生の教えだ。
そして今、その働きを共にするニール・コール先生の著書を通して、LTG=Life Transformation Groupが日本に紹介されることに、至上の喜びを感じる。LTGは、今も私たちに命を注ぎ続けているからである。
本書は二部構成で、「第一部 成長する弟子作り、増殖させるための聖書的原則」とあり、これこそまさしく「建て上げと宣教」だ。みことばと聖霊を信じるからこそ、その原則は単純なのだ。
そして、「第二部 成長する弟子を生み出し増殖させるシステム」では、LTGを具体的に解説している。それはシンプルに、・罪の告白(罪の告白と赦しをし合うこと) ・日々みことばを読む(聖書を読むこと) ・キリストを必要とする人のための祈り(誰かの救いのため祈ること)である。単純であるがゆえに、誰にでも継続が可能なのだ。
訳者の高見澤栄子先生のご指摘に同意する。「教会生活が、礼拝プログラム中心、牧会者の説教中心となると、信仰者(多くがさまざまな賜物のある人たち)がただじっと受身で礼拝するのにとどまり、賜物を発揮し、本音で信仰生活の喜びや苦闘を分かち合うといったことは、かなり限られてしまう可能性が高い。……」(訳者あとがきより)。日本の宣教の閉塞感が指摘される昨今であるからこそ、聖書的原則に立ち返るべきと、私は信じる。
最後に、ニール・コール先生の確信を紹介して本書の紹介のことばとしたい。「方法論が人生を変革するのではありません。イエス・キリストの福音の力が、御霊によって、救いを必要とする魂に与えられるときに初めて、変革されるのです」(はじめにより)聖書と祈りで教会を建て上げようと願う人に、必読の書!!