ブック・レビュー 『心がきちんと伝わる話し方』
パブリックスピーキングのポイント

『心がきちんと伝わる話し方』パブリックスピーキングのポイント
岸 義弘
JTJ宣教神学校 学長

会社やグループのリーダー、牧師に目からうろこの援軍

 「言葉によるコミュニケーション」「心がきちんと伝わる話し方」の極意が、中学生にもわかる言葉で、平易に、実際的に、論理的にまとめられています。「難しいことを、やさしく。やさしいことを、深く。深いことを、明るく。」作家井上ひさしが理想とするところを、そのまま実現している一冊です。

 牧師としての説教においても、伝道者としての説教においても、いまや最高峰に立つと思えるベテラン中のベテラン説教者である中野雄一郎先生にして初めて解き明かし、まとめることができる「パブリック・スピーキング」の魅力的なテーマ展開がここにあります。

 目次をそのまま、紹介します。
 燃える情熱が心を動かす/話し手の態度こそ基本/他人の話をまず聴くこと/話し方よりも大切なこと/話を聴ける人は謙虚な人/大切なのは実行すること/背水の陣で話す機会を作れ/継続はどんな能力にも勝る/キリストは笑ったか/手相ではなく話相が大切/体験談の驚くべき効果/話はいつも対話的にしよう/ひとり言ではなく対話的に/話し上手は愛の人になること/愛の人は「バカもの」になれる

 これを見ただけで、とおりいっぺんの「話し方教室」ではないことがわかります。本質と実際、基本と専門のバランスがみごとです。まとまった話をしなければならない会社やグループのリーダーには、すぐそばにある助けです。若い牧師にも、ベテランの説教者にも、目からうろこです。

 ハワイ大学のパブリック・スピーキング講座も担当した中野先生は、本の虫です。そして勉強したことを、即、ガソリンに変えて疾走するハイブリッド車のようです。この本を読む人はだれもが、聴衆から喜んで迎えられる言葉のコミュニケーターになれます。