ブック・レビュー 『近づいている世界の終焉』

近づいている世界の終焉
黒田 禎一郎
ミッション 宣教の声 主幹

聖書が語る喜びと救いのメッセージ

 尊敬する高木慶太牧師の遺稿となった本書は、約三十年前に発刊された『近づいている人類の破局』の改訂版です。時代の大きな変化と新しい事実を加筆され、変わらない聖書預言の変わらない真理を分かりやすく説き明かしています。私は現代人が読むべき必読書であると思います。

 全体は三部構成となっています。第一部では、「忍びよる破局」と題し、時事問題の様々な具体例をあげ、聖書の預言の箇所を引用し、解説しています。第二部では、「人類史がどこへ向かっているか」という大きなテーマを、やはり聖書から詳しく説いています。そして第三部では、視点を未来に向け、「今後の世界情勢と聖書の約束」について述べています。

 著者が最も強調したかった部分は、きっと第三部の「聖書が約束する輝かしい未来」であると思います。これこそ、聖書が語る喜びと救いのメッセージです。

 全体的にみるならば非常にバランスがとれ、同時に聖書的、神学的にも良書です。そして人類の真実な求めに応答し、時代の必要を満たしてくれるものです。

 本書には次のような三つの特徴があると思います。
第一にクリスチャンだけでなく、ノンクリスチャンにも聖書の真理を分かりやすく説き明かす貴重な書であることです。誰もが関心を持つテーマを、分かりやすく説いています。
そして第二に、聖書の預言についてさらに詳しく学びたい方のために、親切な付録がついていることです。聖書の深みを知りたい方には、きっと良い助けとなるでしょう。
そして最後に、第三の特徴は著者のやさしい心配りが見られることです。聖書は、「預言」と「予言」を使い分けていますが、著者はノンクリスチャンの方に抵抗なく読んでもらうために、すべて「予言」という表示で統一されたと聞いています。ここに、著者の福音宣教にかけた熱い思いが伝わってきます。

 一人でも多くの方が本書を一読されるよう、心から推薦いたします。