ブック・レビュー もっとさわやかに生きることができる


中野めいこ
賛美フラミニストリー代表

「なんて、すがすがしくて、やさしくて、さわやかなんでしょう」『アロハの贈りもの』を読んでの第一の印象です。
ご主人のがんとの闘いとその苦しみ、天に行ってしまってからの寂しさ、悲しみ、孤独、そんな中で、残された子どもたちを育てる大変なときすらも、何か、さらっとさわやかで、温かさを感じるのは私だけではないと思います。
本当だったら、怒りや、どろどろしたものが出てくるはずですのに、本当に不思議です。素晴らしいお仕事もしておられるのに、有名人でもあるのに気負わない、美しい彼女がわたしは大好きです。
亡くなられたご主人にもお会いしていますが、車いすできっとお辛いときでしたのに、こぼれるような笑顔であいさつしてくださる方でした。数回お会いした私でさえ、忘れることのできない笑顔とその信仰。
寛子さんもお子様たちも、このご主人の「生きざま」「信仰」、それはイエス・キリストから来ている、「愛」を受け継いでいるのだということです。
本書の八五頁以下に、夏樹さんの遺書のことが書かれています。「何一つ財産の目録のようなものは記されていません。……彼は決して失われることのない遺産を残してくれました。それは、彼が聖書を通して見いだした信仰でした。」ご主人が召されて十年、その信仰の遺産は子どもたちに確かに受け継がれています。この本のそれぞれの場所に聖書のみことばがちりばめられているのもそのためです。
苦しみや悲しみの中にいる方々が、この本によって、聖書のみことばによって励まされ、慰められることでしょう。苦しみの少ない私にも、この本は「もっとさわやかに生きることができる」と教えてくれます。
五十頁以下のセスナ飛行の記事の中に、彼女が気づかされたことが書かれていました。「私たちに起こる出来事も、見方によって多様な意味を持ちます。……全く異なった次元から見える姿形、現実があるのだということが分かったのです。」ぜひ、この本をお読みくださって、『アロハの贈りもの』をあなたも頂いてください。