ブック・レビュー レフトビハインド5
『アポリュオン』

『アポリュオン』
石黒イサク
美濃ミッション 富田浜聖書教会

希望とチャレンジを与える必読の名著

 黙示録はただ難解で恐ろしい書物ではなく、よく調べてみれば、神の愛と恵みをより深く実感できる聖書のダイジェスト版である。また、現在のIT産業の進歩は、終末預言をより身近に感じさせている。この『アポリュオン』を含む『レフトビハインド』シリーズは、読者にそれを訴えている。

 本文に出ている、嘆きの壁の二人の証人のメッセージ、ツィヨンのインターネット・メッセージなどは、聖書中の各所からの引用であり、読者の聖書知識の試金石となる。反キリストと闘うトリビュレーション・フォースの勇敢さと熱意に満ちた伝道は、今、恵みの時代に生きている私たちに、宣教に対する姿勢を問いかけている。患難期の信者はみんな信仰歴の浅い者たちである。この世の惑わしの中で、いかに真理を証ししていくべきか……。

 信仰告白・主に従う決心を躊躇したり、遅らせることの危険性を示し、邪悪な時代においても、神はご自身に属する者たちを、守り支えてくださるという確信を与える。

 著者のティム・ラヘイ牧師は、とくにこの『レフトビハインド』シリーズを、伝道に用いるために著したということを耳にした。確かに本書の至る所に、神の恵みによる救いの勧めが繰り返されている。神は一人として亡びることを望んでおられないのだから。

 反キリストがいかに狡猾で、執拗に民衆を扇動するか……。アポリュオンの部下の”イナゴ”たちは、神の印を受けていない者たちに襲いかかり、彼らを苦しめる。真理を知りつつも拒絶したり、地位・利権のために偽りを保持しようとする者たちの結末の悲惨さはいかに。読者に迫ってくるストーリーは圧巻。

 私自身、「その時」が迫っていることを憶え、より多くの方々とともに聖書研究と福音宣教に励みたいと願っている。あなたもぜひ本書を一読して、希望とチャレンジを得て、さらに多くの人々に紹介していただきたい。