ブック・レビュー 心臓外科医が語る
精巧な臓器の仕組みと美しさ


宇佐神実
一般財団法人 ジェネシスジャパン会長

「神の、目に見えない本性、すなわち神の永遠の力と神性は、世界の創造された時からこのかた、被造物によって知られ、はっきりと認められるのであって、彼らに弁解の余地はないのです」(ローマ人への手紙1・20)
本書は、心臓外科医として、医療の最前線で人の生死に直接関わってきた著者のたましいの叫びが形を成した書物と言えるでしょう。普段、私たちは自分の臓器の働きなどあまり考えもせずに生きています。しかも日本人の多くは、人間は長い年月をかけて、自然に進化して出現したと学校で教えられたとおりに信じています。しかし本書は、私たちのからだの仕組みがいかに精巧で完璧に整えられているかを示しながら、「偶然や自然でこれだけ精巧な臓器ができたと本当に信じられるのですか」と問いかけてきます。
私たちの心臓が血液を効率よく送り出すためにもっている、心房よりも心室の収縮を一瞬遅れさせる絶妙の仕組みや、酸素を肺から得ない胎児の心臓の血流の仕組み、そして出産直後に肺から酸素を得る血流の仕組みに一瞬で変わる驚くべき仕掛け。通常凝固しない血液が血管が破綻して血が出るとただちに破綻を埋めて凝固する仕組み、その他心臓各部の働きや、腎臓・関節の仕組みなどは、どれをとっても人には及びもつかないような知恵と知識と技術がその背景にあることが伝わってきます。
さらに、患者さんとの対話や関わりなどを通して著者自身の聖書信仰の確立と創造主の私たちへの愛といつくしみを証しし、創造主に日々生かされていることに感謝して生きる大切さも教えられます。
文章だけでは難しく感じられる内容も、臓器やその仕組みのさし絵を見、自分のからだでどのように働いているかを思い描きながら読むことで、著者が伝えたいことをよりよく理解することができるでしょう。
本書は創造主の英知と全能の力とその愛を思うことのできる本です。進化論が正しいのではないかと感じている方に、また、創造主があなたをどれだけすばらしく造られたかを知りたい方に、本書をぜひおすすめします。