ブック・レビュー 教会運営にかかわる事務処理のノウハウを集約!

 『教会事務ナビ』
渡邉純幸
日本キリスト教連合会委員長 日本福音ルーテル蒲田教会牧師

この度、待望の書『教会事務navi』がめでたく出版されたことをうれしく思います。
著者の佐藤丈史氏は、浜田山キリスト教会の誠実で熱心な信徒として、また日本キリスト教連合会常任委員として、さらに公益財団法人日本宗教連盟幹事としての重責を長く担ってこられ、キリスト教界のみならず、そのお働きの功績は誰もが認めるところであります。
佐藤氏は、これまで行政書士として様々な宗教関係、とりわけキリスト教関係の行政等に関わる相談を多く受けてきました。それらの問題点を整理し、まとめたのが、すでに出版された『宗教法人の設立と運営ガイドブック』『宗教法人・こんなときどうするQ&A110』(ともに、いのちのことば社刊)です。しかし、これらの著作はすでに絶版となり、再版を望む多くの声が聞かれていました。これらを一冊にまとめ、新たに出版された本が『教会事務navi』です。
本著は、タイトルが示すとおり、まさに教会の領域に関わる煩雑な事務手続きや事務処理が、著者の長きにわたる経験と数多くの事例、実績に基づいて、わかりやすく的確に解説されています。
第一部「教会事務編」、第二部「ひな型編」、第三部「FAQ(よくある質問)編」、第四部「様式編」、第五部「資料編」の五部で構成されており、宗教法人、また教会事務の煩雑な事柄を明快に、しかも図や表等を用いて、実践にすぐに役立つものとして、分かりやすく示しています。
例えば、第二部の「ひな型編」では、宗教法人設立に際するひな型としての規則が掲載されています。その内容たるや、責任役員の議事録、信徒総会の議事録等のあり方が明瞭的確に示されており、自教会の運営等を顧みる上でもとてもよい教会事務ナビと言えましょう。それに加えて必要資料も豊富に掲載されており、本書のタイトルが示すとおり、教会事務のナビゲーターとして大いに役立つ格好の書と言えます。初心者にも、また経験者にも、事務手続きを進めるために大いに役立つことでしょう。