ブック・レビュー 貸したら、妻も娘も読みふけりました。

 『 [合本・愛蔵版]信じてたって悩んじゃう  』
岡田 明
都立高校教諭・主都福音キリスト教会会員

この本は思春期に生きづらさ、居場所のなさを感じるようになった、マジメだけど、ぐうたらで根気のない少女が、神様にとらえられ、しかし悩みつつ、その悩みを通して神様のすばらしさを味わっていく日々を、マンガと文章でつづった自叙伝である!悩みごとのQ&A本ではないです。
むしろQ→QQQ……です。神の存在、聖書、婚前交渉、中絶、奉仕、カルト、進化論、神がいるのになぜ世界に悲劇があるのか等のさまざまな問いが“ななみワールド”の中で吟味され、深められ、たくさんのQとなって読者に投げられてくる感じです。それはこちらの無知、偏見、思考停止のツボにズボズボきます。
説教くささゼロ。ゆるい画風が絶妙です。
絵と文章に人柄やホンネが滲み出ていてアジがあります。むずかしくきわどいテーマなのに、読者はなんなく引きずりこまれ、Qの世界にはまり込んでいくことでしょう。
そして、それは苦痛じゃなくて快感。ずっといっしょに考えていたくなります。
過去に出版された三冊をあえて合本にした、いのちのことば社のアイデアはナイス。おかげで「まだまだページがある。よかったぁ」と快感長続きの本になりました。
求道中の人へのプレゼントにグー。思春期のクリスチャンにもグー。歳とって開き直り気味の中年には、リフレッシュ効果バツグン。読み終わったあと抱く思いは、「みなみななみは、すごい」ではなく、「神様って、すばらしい。ハレルヤ~♪♪♪」つまりこの本、実は、主を見上げて讃美したくなる“証し”の本でもあります。こむずかしいお勉強の本ばかりの日本のキリスト教界に待望された一冊。買って読むべし。