21世紀の伝道を考える 2 「若者伝道」こそ21世紀の教会のかぎ

栗原 一芳
日本キャンパス・クルセード・フォー・クライスト代表

 若者伝道は21世紀の教会の死活問題です。今日の学生は将来の日本のリーダーです。彼らは将来、経済界、教育界、マスコミなどの世界などで、リーダーシップをとっていく人たちです。

 全国には四年制大学だけで約600、東京だけでも173あります。学生数にして約65万人。こんな都市は世界でも珍しいのです。将来のリーダーを探す必要はありません。大部分は東京に集中しています。この学生たちに届きたい! 毎年新入生17万人に伝道用パケットを渡せないだろうかと願っています。

 近年の技術革新はめざましく、アメリカのキャンパス・クルセード・フォー・クライスト(以下CCC)ではCD-ROM一枚に二時間の映画「JESUS」と複数の情報を盛り込むことに成功しました。また学生生活に役立つ情報や学生の証しを入れたものを考案中ですし、同時に学生伝道用ホームページとリンクさせたいとも思っています。主は「深みに漕ぎ出して、網を下ろして魚をとりなさい」(ルカ5・4)と言われました。網とは、現在ではインターネットと言えるかもしれません。ネットの網を下ろし、多くの若者に福音を伝えたいのです。

 ところで教会に若者が来ないといわれ久しいですが、彼らが霊的なものにまったく興味がないというわけではありません。最近アムステルダムで若者を対象にアンケートがなされ、「Do you like GOD?」の質問に約九十五%が「YES」と答えましたが、その「GOD」を教会で見つけられると思いますか? という問いには一%が「YES」と答えたそうです。日本でも一昔前は唯物論、実存主義が流行し、霊的な世界は軽蔑されていたわけですが、今日の若者は、逆に霊的な世界をあたりまえに考えているようです。アメリカCCCは「霊性」をテーマに「ダマー」という映画祭を主催し、クリスチャン、ノンクリスチャンを問わず、多くの若者から作品が送られてきています。これをぜひ日本でも始めたいと思っています。

 もう一つは言葉の問題です。「イエス・キリスト」というと何か古めかしい、宗教のにおいを感じるかもしれませんが、「ジーザス」というと新鮮な響きがあって受け入れられやすいのではないでしょうか。「ジーザス」の価値観を持って生活することを、例えば「J-スタイル」、聖書を学ぶ集まりを「J-クラブ」と呼んで、若者の間に「J」を流行らせたいのです。

 ポストモダンの若者たちは、事実や概念よりも音、映像によるイメージやストーリーに関心があります。「JESUS」の劇場上映のためのプロモーションとして製作した、Jイメージサイト(www.jjjjjjjj.org)はまさにそのようなサイトです。また「変えられた人生の証し」にも興味があります。様々な方の証しに触れることのできるサイトPower to Change(www.powertochange.com)の紹介をしています。また、若者向けの音楽とショートメッセージが入ったトラクトCD「My Heart for You」(200円)も用いられています。

 また昨年の10月13日「ゴスペルナイト」と称して若い社会人を対象にプレ伝道イベントを行いました。ホテルでのビュッフェディナー形式で、ゴスペルコンサートと「男と女の心理学」と題してアーサー・ホーランド氏と石井希尚氏のトークショーがありました。参加者の60%はノンクリスチャンでしたが、アンケートでは70%近くが「また来たい」と回答しました。普段、教会に足を運ばない人がリラックスして自然に「ジーザス」の話を聞ける雰囲気づくりが大切です。こうしたイベントを行う中でリピーターができればいいなと考えています。そして宣教師と協力しながら、その交わりがそのまま教会となっていくという、新しい教会形成の可能性にもチャレンジしています。

 若者に対するもう一つの可能性は、ブライダルではないでしょうか。結婚後、これから新しいスタートをきろうとしている若いカップルに、クリスチャンとして末永く役立つサービスを提供することができればと思います。若者にとって恋愛、結婚はいつの時代も関心の高い話題です。こうした関係の一般のサイトは盛況なのに、クリスチャンによるものは見たことがありませんし、そうしたテーマでの伝道サイトもないようです。

 私たちの神は21世紀の神です。希望はあります。主からのビジョン、知恵をダウンロードさせていただきましょう。