CD Review ◆ CD評 『The Place of Life ―愛する方のもとに―』

The Place of Life ―愛する方のもとに―
齋藤 昇
ミュージシャン

声、メロディー、歌詞のそれぞれが深く絡み合い、自然に賛美する心へと導いてくれる

「主は私の魂を 生き返らせ命与え 御名のために 義の道へと導かれる。」
 この歌詞とメロディーが流れたとき、思わず涙があふれてきました。昨年十月に受洗したばかりの私が、大和田さんのCDレビューを書くにあたり、どのように紹介すべきなのか大変悩みました。しかし、こんなにも素直に心に響いてくる彼女の歌声を聴き、その悩みも吹き飛びました。このCDは、声、メロディー、歌詞のそれぞれが深く絡み合い、自然に賛美する心へと導いてくれます。そして主を賛美し、イエス様こそ私たちを導き救われる方だと、確信をもって彼女は歌います。

 先日、あるワーシップ集会で彼女と隣どうしになったとき、主を賛美する想いが隣からひしひしと感じられ、私自身も主に魂を素直に捧げる気持ちがわき上がってきました。それは、「主は今も生きておられる!」という、主の臨在を感じさせてくれるひとときでした。

 一歳九ヶ月で失明し、四歳でピアノを始めた頃から神様に出会うまでの十年余の間、様々な心の葛藤があったといいます。目が見えないために、保育園、小学校に受け入れられず、親元を離れ盲学校に入学、就職活動をしても、「あなたを雇うために、もう一人雇わなければならない」と言われ、以前は「私は選ばれない存在なんだ」と考えていたそうです。しかし彼女は、中学三年のとき、英語の先生を通して、イエス様に出会いました。その後高校に入り、賛美のユニットを作り、ライブを開始、大学入学を機に転入した教会でオリジナル曲の特別賛美をするようになります。それが評判となり、様々なところから出演依頼が来るようになりました。

 「自分に出来ることがあるかどうかは別として、神様が生きて欲しいと思っている。そこに私の存在価値がある。」そして「私自身を通してそのまま神様の御前に出られる道を備える存在になりたい」と彼女は語ります。

 私自身も、そんな彼女から「その道」を備えられた一人なのかもしれません。