CD Review ◆ CD評 この国がいま復活進行するのさ!!REVIVE !

『 CD 復活のロックンロール 』
横山大輔
ゴスペルシンガーソングライター

二〇一一年の東日本震災での痛みを払拭し、この日本が復活へと向かうため、サルーキ=の新しいアルバム「復活のロックンロール」が発売された。
はじめに聞いたときの印象は、サルーキ=らしい、人間らしさ、泥臭さ。多くの人が日常で悩み、葛藤していることをロックンロールを通じて励まし、聞く人に前に進む勇気を与えてくれるメッセージ性のある作品だと思った。さらに今までの作品よりも強く感じたのは、ところどころにさりげなく出てくるバイブルの言葉だ。自分としっかりと向き合っているボーカルのチヨ君と、そして試練の中に励ましを与えてくれる神様との関係において、自然と出てきた言葉なのだろう。
一曲目の「復活進行」は、ヨブ記にある「私は裸で母の胎から出て来た。また、裸で私はかしこに帰ろう」(1・21)を思わせるような中での、力強く、ポジティブな歌詞が心に残った。震災を通じて、私たちは多くのものを握って生きていることを痛感し、いのちや、すべての物事は神から与えられ、預かっているものだと教えられた。一度きりの人生をいかに生きるか。今まで忙しい現代社会を生きる中で、問われなかった質問が、震災以降今の日本人に問われているような気がする。その答えになるようなメッセージが詰まった作品に仕上がっている。
さらに、サルーキ=の活動に励まされるのは、自分たちでは無理だと思われ、多くの業界人からも反対されながらも夢に向かって前進し続ける姿勢だ。
武道館のステージに立つという夢を分かち合いながら、五百人、千人、二千人というライブハウスホールでのライブを着実に進んできて、今は、九月八日に行われる渋谷公会堂でのライブを控えているが、このライブに成功すれば、まさに武道館に大手をかけているという状況である。
小さいことに忠実であれば、大きなことをまかされるという聖書の言葉があるが、一日一日、毎回毎回のライブに心こめ、一歩ずつ毎日を歩いていくサルーキ=の生き方は、きっとこの国に、復活への希望を届けるだろう。

「復活のロックンロール」
SALUKI=
全7曲 2,000円
取扱い ライフ・クリエイション
TEL.03-5341-6927(48672)

<収録曲> 1.復活進行 2.人間活動 3.シャローム 4.仕事 5.新しい暮らし 6.もしも今日という日が人生最後の日ならば 7.生活