CD Review ◆ CD評 CD「インストゥルメンタルLYRE(リラ)―空―」

CD「インストゥルメンタルLYRE(リラ)―空―」
小山 英児
栄シャローム福音教会・牧師

説教にはできない方法で人の心に触れる

 今、家の車にはいつも、このザレファス・トリオの「インストゥルメンタルLYRE『空』」が流れています。LYREらしい、肩の張らない、いやされる音色が、神様の愛を想起させてくれます。大倉サラさんのヴァイオリン、ティム・デミーさんのヴィオラ、チェロ、伊藤実希さんのピアノの絡み合いが心地よく、原曲のイメージを殺すことなく、新しい世界に引き上げてくれます。特に代表曲の「わたしたちのこの口は」で、思わず口ずさんでいる自分に気がつきます。

 LYREファンの方にとっては、メンバーが参加していないので、どうかと思っておられるかもしれません。しかし、LYREをずっと傍らで聞いてきた私には、LYREらしさがちっとも失われていないCDだと思います。それは、きっと、メンバー全員が全幅の信頼をおいている土井康司氏がアレンジャー兼ディレクターとして加わったからだと思います。また、ジャケットにはメンバーの宮脇栄子さんの夫、星児氏の写真が用いられ、隠れた所にLYREらしさを入れているところも特徴だと思います。

 LYREのメンバーは、自分たちはミュージシャンではなく、献身者だと言います。実際、メンバーの半分(三名)は海外に宣教師として出ています。一人一人が献身者という意識をもって神と人とに奉仕している姿に、神様がLYREの音楽を用いてきた理由を感じます。今回は、そのスピリットを見事にザレファス・トリオの方々が受け止めて、演奏してくださっているように感じます。「ザレファス」という名前は、列王記17・9の「ツァレファテ」から。「精錬する」という意味があり、「私たちの頑なな心も、溶かされ作り変えられる事が神様には可能である」ことを伝えていきたいとのことですが、まさに、このCDにそれが現れていると思います。

 サドルバック教会のリック・ウォーレン師はこんなことを言っています。「音楽はしばしば、説教にはできない方法で人の心に触れることができる。理性の壁を通り抜け、直接、心にメッセージを届ける。」このCDは、まさに、言葉を超えた方法で、人の心に触れることができるCDだと思います。