書評Books 数ある試練にも屈しない信念

『 天晴れ!ぶれなかった人たち 』

熊田和子 著

B6変判 1300円+税
フォレストブックス

『天晴れ!ぶれなかった人たち』まずこのタイトルが強烈で、日本史に名を遺した人々の写真がズラリと並ぶ表紙を開かずにはいられない思いになる。そしてページをめくると、綺羅星のごとく並ぶ偉大な人物たち。その一人だけでも、何冊も本が書けるほど功成り名遂げた方ばかりなのだが、あえて微細な表現をそぎ落とし、短く核心に迫る言葉でその人物を紹介している。
日本に初めてキリスト教を伝えたザビエルから新島襄、賀川豊彦、三浦綾子まで七十名。どの人生にも驚くほどのドラマがあり、数ある試練にも屈しない信念を貫く生き様がある。そんな彼らを支えた共通点は、「聖書」。必死で神にすがり、聖書のみことばを心の土台に据えて生き抜いたからこそ、その使命を全うできたのだと思わされた。
ページを読み進めていくうちに、今まですごいと思っていた人々が決して偉大なヒーローではなく、自分と同じように悩み、涙する人間なんだと身近に感じられるようになるのは不思議。各人物紹介の最後に、「もっと知りたい人は」として参考資料や書籍なども掲載されているので、さらに深くその人物を知っていく扉ともなる。三か所ある「息抜きコラム」も、意外な目線からキリスト教と日本の歴史の関わりを知ることができ、興味深いコーナー。
日本の実業界、教育、医療……どの分野においても聖書を土台として生きた誰かが、神とともにその道を切り開いてきたことを知り、日本の近代史と聖書との深いつながりにも驚かされた。そして、その聖書の言葉を心に刻んで生きるなら、今を生きる私たちも、いつか「天晴れ!」と言われるような存在になれるかもしれないとさえ思わされた。聖書の中の登場人物も、この本の人物たちも、皆同じように長所も欠点も持ち合わせた人間。でも主に在って生きるとき、人は何倍も豊かに輝いて生きることができる、それを心にしっかりと刻むことのできた作品。私たちの人生が主に在って天晴れ!となるために、お薦めの一冊です!