書評Books 『マンガジェネシス』ついにシリーズ完結!


『旧約聖書 マンガジェネシス
―アブラハム契約』
ケリー篠沢 著
A5変型判 1,600 円+税
フォレストブックス

日本イエス・キリスト教団 牧師
金井塾 塾長 金井 望

昨年末にケリー篠沢著『旧約聖書 マンガジェネシス― アブラハム契約』が発行されて、シリーズ全三巻が完成しました。二〇一二年にプロジェクトが始まってから五年余り、全八六四ページがフルカラーの大作となっています。
筆者は、二〇一二年五月十二日に東京銀座・教文館で開催されたマンガアニメ聖書展in東京の実行委員会で副委員長を務め、それ以降ケリーさんのマンガミニストリーに少し関わりました。その前後数年間は、ケリーズファームの皆さんにとって試練の連続でした。二〇〇六年から頒布が始まった熊井秀憲・ケリー篠沢著『マンガメサイア』は二〇以上の言語に翻訳されて、一〇〇万部以上も頒布されていました。それなのに、次の作品を生み出す資金がなくて、窮していたのです。ケリーさんは、愛し子が天に召されるという痛みも、負っていました。
今回発行された第三巻は、第二巻に続いてアブラハムの生涯を描いた作品ですが、登場人物の心模様について深い洞察がなされています。それは、ケリーさん自身が数々の試練を体験したからこそ、生まれてきたものでしょう。アブラハムの生涯を描いた名作としてはF・B・マイアー著『信仰の高嶺めざして』が有名ですが、それに匹敵する恵みが『マンガジェネシス』第三巻によって読者に届けられるでしょう。創世記を描いたマンガ家には藤原カムイ、樋口雅一、手塚治虫、ジョージ秋山、あずみ椋、里中満智子といったビッグネームが連なっています。『マンガジェネシス』はそれらを凌駕するマンガ聖書の金字塔だと思います。『マンガジェネシス』は『マンガメサイア』と同様に、英語版やスペイン語版、韓国語版などによって世界中で読まれ、各地でリバイバルの発火点となることでしょう。共産圏でもイスラム圏でもヒンズー圏でも日本でも!
今日まで続いているイスラエル人・ユダヤ教とアラブ人・イスラム教の問題についても、その原点がこの第三巻によって明確に理解されることでしょう。『マンガジェネシス』第三巻はクリスチャンだけでなく、現代人に必読の書です。