285 時代を見る眼 いのちをみつめて [3] 真の豊かさ

マナ助産院 院長 永原郁子

マナ助産院では17年前に性教育グループ「いのち語り隊」を立ち上げ、いのちと性の大切さを伝える講演活動をしています。昨年度は150か所で語らせていただきました。
現代の性教育は性行動の決定権は自身にあるとする「性の自己決定」という考えが主流ですが、いのち語り隊の性教育は「性の神決定」というべき、聖書の言葉を基盤としています。
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「あなたは大切な一人」「あなたが生まれてきたのには意味がある」。子どもたちがそのようなメッセージに触れることによって、自他の「いのちと性」を大切にした生き方ができます。また聖書には婚姻関係の性は祝福ですが、婚外交渉は罪であることが書かれており、結婚するまでNO SEXで過ごすことが幸せに人生を築くことだと子どもたちに伝えます。
実際、子どもたちは未婚であっても、10代であってもセックスしていいという情報に囲まれています。そして妊娠した多くの女の子たちは中絶手術を選択します。親の説得にうなだれて手術台に上る子もいます。手術後は表面的には元の生活に戻るわけですが、手術の傷は想像以上に人生に影響をおよぼします。赤ちゃんのいのちを奪ったという罪責感や喪失感は自己肯定感を低くし、心の病を引き起こすこともあります。その後の結婚、子育てにおいて大切な母性が損なわれることも危惧されます。心だけではありません。将来、子どもを授かりたいときに不妊や異常妊娠、異常出産の原因になることもあります。
私は3年前からクリスチャンを対象とした「いのちと性の大切さを教える」ための講師養成セミナーを全国各地で開催しています。聖書を手にしたクリスチャンが今「いのちと性」の大切さを語らなければならないと考えるからです(次回のセミナー開催地は北海道)。また、マナ助産院では、産む選択をより可能にするマタニティーホームの建築計画や24時間相談に訪れることのできる「いのちのドア」(仮称)の開設に向けて準備をしています。
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最も弱い立場の胎児や新生児、そして女の子たちのいのちが大切にされることが真の豊かさ、祝福への大きな一歩と確信して、これらの働きに取り組んでいきたいと思っています。

*マナ助産院の働きに賛同され、運営にご協力いただける方はhttp://www.mana-mh.com/m_home.htmlをご覧ください。ご支援とお祈りをよろしくお願いいたします。