野の草を見つめながら 第9回 すべてをゆだねる

フォトグラファー 市川五月
今回の表紙の写真は皆さんもよくご存じの「ぺんぺん草」ことナズナです。葉っぱが特徴的でハートの形をした、とても可愛らしい草ですよね。
ナズナを調べてみると、とても興味深いことがいくつも出てきました。まず、ナズナは葉の形が三味線のバチにも似ていることから三味線草とも呼ばれ、三味線の音の「ぺんぺん」という擬音語から「ぺんぺん草」と呼ばれるようになったと考えられているとのこと。子どもの頃、よく葉の音を鳴らしながら遊んだことを思い出します。
次に、とても栄養価が高いこと。ナズナは春の七草粥に入っている草としても知られています。ナズナは平安時代から食用、薬草、漢方薬として利用されていたそうです。カリウム、たんぱく質、鉄、葉酸など、多くの栄養成分を含んでいます。中でもビタミン、ミネラル、カルシウムの含有量がとても豊富。
効果としては主に、発熱や下痢、腹痛や高血圧、また生理不順や便秘解消の効果が期待できます。道端を見渡せば至る所に生えているナズナが、野菜よりも栄養価が高いことに驚きました。
神様は、私たち人間を守るために身近にたくさんの必要なものを用意してくださっているんだなぁと気づかされます。
ナズナの花言葉は、「あなたにすべてをお任せします」「あなたに私のすべてを捧げます」でした。
西洋では、ナズナの実が財布の形に似ていることから、「Shepherd’s purse(羊飼いの財布)」と呼ばれているそうです。この別名から、財布をあずける意味で、「あなたにすべてをお任せします」という花言葉が付けられたとされています。
聖書には「心配するな」と書いてありますが、私たちは生活も健康もお金も将来もすべて、本当は心配するに及ばないものですね。私たちの心配事をすべて神様にあずけて委ねて生きるとき、真の平安が私たちを訪れ、満たしてくれます。
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「聖書にこう書いてあるからです。『見よ、わたしはシオンに、選ばれた石、尊い要石を据える。この方に信頼する者は決して失望させられることがない。』」
(Ⅰペテロ2:6)