『君への誓い』緊急出版!!
記憶を失った愛する妻へ ◆実践的信仰書
田崎 学
担当編集者
原書『The Vow』を初めて手にしたのは、今年三月のことでした。
六月に映画「君への誓い」が日本で上映されることから、原書の存在を知りました。夫婦関係が壊れていくという苦しみの中で、信仰をもって歩もうとする二人の姿、そして夫キムさんの正直につづられたことばに感動しました。わずか二、三か月で出版することになり、どうなるかと思いましたが、無事に皆さんの手にお届けすることができそうで、ホッとしています。
本書は夫の手記であり、〝大好きな妻”から、自分の存在を丸ごと忘れられてしまう〝かわいそうな夫〟の視点で語られています。主人公のキムさんは、バリバリの体育会系で、事故後はリハビリでも妻に厳しく接し、関係は悪化の一途をたどります。私は自分と正反対のタイプということもあり、多少反感も抱きながら読みました。しかし、話はそれでは終わりませんでした。キムさんは見上げた男です!
結婚生活の基本は、神を中心に据え、相手の立場に身を置くことなんだなあと、今さらながら教えられました。映画は、プロデューサーが「シリアスになりすぎないよう、全体にユーモアと軽いタッチの混じった親しみやすい脚本にしなければならなかった」と語るように、きわどいセリフやシーン、設定も多く、本書の内容とは異なります。信仰の世界は描かれておらず、個人的にはクリスチャンの方に無条件でおすすめはできませんが、ハラハラドキドキで面白く、考えさせられるところもありました。私としては、映画を観たノンクリスチャンの方が本書にも興味をもち、信仰の世界を少しでも知ってくださればという祈りも込めつつ、これを送り出したいと思っています。
クリスチャンの方にはぜひ、結婚以外にも献身、試練、恋愛、子育て、友情など――、さまざまな要素が濃縮された信仰書の「実践編」としてお読みいただければと思います。
『君への誓い』 6月発売!
キム・カーペンター、クリキット・カーペンター 共著
結城絵美子 訳 四六判 1,365円