『教会福音讃美歌』ができるまで 第6回 出版に向けた作業

田中 進
福イムマヌエル綜合伝道団
インマヌエル大宮キリスト教会牧師

曲の選考や歌詞の見直し、メロディーのこだわりなどを経て、『教会福音讃美歌』がいかに出版へと進んできたのか。出版時期が今春から七月へ延期されたことも含めて、これまでの歩みと今後を尋ねる。

Q 作業は、どのように進められたのですか。

まず、これまでにお話ししてきたような編纂方針を決定し、それに則って個々の讃美歌(新曲を含む)の評価、検討、取捨選択などを行いました。
インターネットを活用して、曲の評価、コメントを書き込むなど、各人が自宅で作業を進めつつ、月一回のペースで讃美歌委員会を開催して調整を行い、必要に応じて集中作業をする形をとりました。
約七百曲の候補曲決定後は、歌詞チーム、音楽チームに分かれて、翻訳・編曲・作詞・作曲などの作業を進めました。最終的に五〇六曲が決定し、編集ソフトでのレイアウトが進められる中、文字や楽譜の校正、実際に分担して歌ってみるという作業も行われました。

Q 特に大変だったのはどのような作業ですか。

それぞれの担当によって、違った答えが出てくると思います。選曲では、約七百曲以上の候補の中から全体のバランスを見ながら曲数を絞ることですね。
また、古くからよく歌われている曲は古典枠としてそのままの歌詞で採用したのですが、親しまれている曲を改訳した担当者は最後まで悩んでいました。
校正では、輻輳する校正原稿の情報を統一するため、正確さと迅速さが求められたことです。
Q 今回、急遽出版が七月に延期になりました。現在はどのような作業状況なのでしょうか。
今年の一月末にはほぼレイアウトが終わり、五月には出版できる見通しでしたが、平行して行われていた歌詞や曲の最終チェック、特に翻訳の最終決定などが意外に手間取りました。と同時に、諸外国の版権交渉にも時間を要しました。また、最初の校正段階で訂正・変更箇所が思ったよりも多く、いのちのことば社の担当編集者から、今回の讃美歌の出版には一般書籍よりも校正に時間を要するとの要請があり、あらためて調整した結果の判断です。
五月中旬にはデータが完成しますが、三回ほど校正を重ね、七月末までには出版できる見通しです。お待たせして申し訳ありません。

◆次回のテーマは「おすすめポイント!」