『教会福音讃美歌』ができるまで 第7回 おすすめポイント!
『教会福音讃美歌』に携わる福音讃美歌協会メンバーのお気に入りの曲や、おすすめポイントを聴きました。
ドイツの讃美歌にこだわりました!
ドイツの讃美歌の楽譜は、原典通りだったり、J・S・バッハ編曲などさまざまですが、現代の会衆が歌い易いよう心がけ、選び取りました。
二九番「主こそわが望み」は、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」で知られる讃美歌です。三四四番「神はわが砦」は、現代の会衆にとってよりよい訳詞となったでしょう。楽譜は変拍子はそのままに、歌い易いアウフタクト開始で表記しました。三七一番「とこしえの父の神に」は、現代ドイツ敬虔派の讃美歌です。「血潮したたる」で知られるP・ゲルハルトのアドベントの讃美歌、六八番「いかにしてわれ主を迎える」も新たに収録しています。
(桜美林大学准教授 立教大学文学部兼任講師 植木紀夫)
あ 歌詞の深みに苦慮して……
「祈りはなつかし」などと訳される「恵みにあふれる祈りのひと時」の原詩は、祈りの時間を人格化して「甘美な時」と呼びかけます。四節では天国に向かって空を飛びつつ、祈りの時に「さよなら」を告げるのです。何としてもここを表したいと願いつつ、限られた字数では叶いませんでした。心残りの一曲です。
おすすめ▽三七三番「恵みにあふれる祈りのひと時」
(イムマヌエル綜合伝道団 新潟キリスト教会 蔦田直毅)
詩篇の味わいを助けてくれる新訳が完成!
詩篇四二篇の讃美歌、Martin Nystromによる〝As the deer”「鹿のように」が一九二番に収録されましたが、私は一九一番「鹿が渇いて谷川の」もおすすめいたします。これは『讃美歌』(一九五四年版)三二二番「神よ雄鹿の」の新訳です。バーンビー作の旋律、和声がこの詩篇の味わいをとても助けてくれるように思え、くり返し歌わせていただいた私の愛唱讃美歌なのですが、一九〇三年の翻訳を今回、新しい翻訳に差し替えてあります。新改訳聖書の平易・率直な日本語に近いものとなったのではないかと思います。
おすすめ▽一九一番「鹿が渇いて谷川の」
(日本同盟基督教団 新船橋キリスト教会牧師 下川羊和)
◆次回のテーマは、最終回「現状とその全貌」