いのちのことば社創立60周年記念出版
これが、聖書神学事典だ! 身近なテーマを考える中で、聖書の語っている声に耳を傾け

飛鷹美奈子
西神福音ルーテル教会伝道師

「結婚・離婚」「独身」「家庭」「性」「姦淫」の五つの項目を執筆させていただきました。これらの項目は、多かれ少なかれ誰もが一度は考えたことのある、また日々直面している身近なテーマだと思います。私自身、家庭を持つ一人の妻として、家族の問題、夫婦の問題、男女の問題を考えざるを得ません。
現代社会では、家族の問題や、夫婦の問題、親子の問題を抱えている人、結婚や家庭の意味を見失っている人が少なくないと思います。また、男性として女性として、神さまのみこころにかなって正しく生きることや、男性と女性が互いに尊重して関わることは当たり前にできることではないと思います。誰もが、人生の節目に、聖書からメッセージをいただき、自分の歩みを確認する作業が必要です。そのために、この事典が用いられるようにと願いながら執筆を始めました。
しかし、一つひとつの項目に取り組んでいくうちに、聖書が語っているメッセージをつかみ、それをわかりやすく、かつ的確に表現することがいかに至難のわざであるか、だんだん身にしみるようにわかってきました。
執筆する中で最も苦労したのは、身近な問題だけに、自分の思い込み、自分の主張が、聖書の語っている内容よりも前に出てしまうことでした。監修者の先生方、いのちのことば社の編集担当の方のアドバイスにより、「こうでなければならない」という律法的な考えをしていることに気づかされました。もう一度、聖書の関連箇所を読み、語句研究をし、文献を研究することで、より深く包括的にそのテーマをとらえることができたのは幸いでした。
私たちの抱える問題がいかに深刻であったとしても、神さまは罪人の只中に来てくださり、人間関係の破れを繕うばかりでなく、キリストの花嫁として私たちを着飾ってくださろうとしていることが、家庭における問題を考えるために重要だと思います。その視点に立って目の前の問題に取り組む時に、光が与えられるように思います。
事典をお読みになる方々の上に、主なる神さまの豊かな祝福があることをお祈りしています。