となりの人々 10 収穫への祈り

収穫への祈り
森住 ゆき
日本福音キリスト教会連合 前橋キリスト教会会員

2年ほど前に、母教会の青年会が海外宣教についてとても充実したレポートを披露してくれたことがある。

 キリスト教国ではない日本の教会の力は、総じて強いとはとても言えない。ことによれば助けてもらいたいのはこっちなのに、なぜ海外宣教の働きを担う必要があるのか。

 レポートは、母教会も含め、日本のプロテスタント教会の多くが、決して大きいとは言えない欧米の教会の祈りと、ささやかな力の結集によって生み出されたものであることを解き明かす。

 そして、オズワルド・スミスの著書『地の果てにまで』から、次のような言葉を紹介してくれた。「世界は収穫を待つ神さまの畑である。神さまは私たちが全世界に出て行って、畑の全部を同時に耕す事を望んでおられる。私たちは自分で出かけるか、代わりの人を送るか、そのどちらかをしなければならない」。

 その働きは、表紙絵のようにコンバインでがんがん刈り入れるような現実ではもちろんない。けれど、地上のどんなに豊かな畑も、水田も、はじめは農機具はおろか作物の種子さえ受け付けない荒れ地や密林だったことを思うと、なすべきことも見えてくる。

 私たちが、ある人々から見れば「地の果て」である日本で救われたのも、そのような働きの結実としていただいた恵みなのだし。