どうして「神学」は必要なのか? ミラード・J・エリクソン氏 来日インタビュー


ミラード・J・エリクソン
福音派を代表する組織神学者

ミラード・J・エリクソン氏 福音派を代表する組織神学者 今春、邦訳出版された『キリスト教神学第1巻』の著者で三月に来日したミラード・J・エリクソン氏にインタビューしました。

いつクリスチャンになりましたか?

 私は母の胎の中にいるときから教会に通っていました。11歳で洗礼を受けました。私は、クリスチャンになるときの「素晴らしい感情的な体験」というものを持っていません。でも、多くの経過を通して私がクリスチャンになっていったという経験を持っています。人にはそれぞれの回心があり、自分はこれでいいんだと後に気付きました。

どのような経緯で『キリスト教神学」を執筆されたのですか?

 一九八〇年頃、私は、福音主義について教えていたのですが、適切な教科書がありませんでした。古すぎたり、自由主義神学または保守的なものだったのです。書いている時は、このテキストを誰が使うだろうか? とそんな気持ちでした。アメリカ以外の外国でも使われるとは思ってもいませんでした。でも、主が力を与えて下さって、一年間でだいたい基礎はできました。

神学の必要性をもっとも強く感じたときはいつですか?

 ミネソタ大学で学んでいたときの最後の二年間一九五二年から五三年だと思います。そこで私は、哲学を選考し、次に社会心理学を選考しました。現実とは、人間とは何かとの学びをしていくわけです。一般の学問いからの問があるなかで、クリスチャンとしてどのように人間を捉え、社会に対して反応していくのかというところで、神学の必要性を感じました。

『キリスト教神学』は何カ国語に訳されていますか?

 スペイン語、中国語、韓国語、インドネシア語、ポルトガル語、ロシア語、ブルガリ語、ルーマニア語の八カ国語、そして日本語です。

「神学」に対して抵抗を感じている方々におすすめすること、また学ぶ上で注意する点などありますか。

 はじめて神学に触れる人は、厚い本から学ぶのではなく、薄い本から学び初めて欲しい。
 『キリスト教神学第1巻』を読んで下さるのなら、第一部は哲学的なことが多いので、第二部から学び始めるのがよいと思っています。
 また、私の著作で十二章からできた小さな本ですが、”Does It Matter What I Believe?”(何を信じるかは重要な問題か)という成人向けの本があります。それが日本語になるといいと思っています。