わが家の小さな食卓から
愛し合う二人のための結婚講座
第5回 仕事のことを分かち合う
大嶋裕香
1973年東京生まれ。宣教団体でキリスト教雑誌の編集、校正を手がける。99年にキリスト者学生会(KGK)主事の夫と結婚後、浦和、神戸、金沢と転々としながら年間100~200名近い学生、卒業生を自宅に迎える。KGKを中心に、夫と共に結婚セミナーで奉仕。その傍ら、自宅でパン教室、料理教室を開き、子どもたちにパン作りを教えている。13歳の娘と10歳の息子の母親。
「ほぉ~、そこまでしますか!」と夫婦で感心しきり。夫いわく、このアドバイスは大変参考になったそうです。それからは、帰宅後に仕事がある時は必ず私に伝え、「仕事が区切れるタイミングで食事をするからね」と言うようになりました。また、先のご主人は自宅の書斎で仕事をすることも多いそうですが、奥様は二人で早く過ごしたくて、柱の陰からじっとようすを窺って、ご主人を待っていることがあるそうです。想像するとほほえましいのですが、仕事中に待たれるとプレッシャーとのこと。ご主人が家にいても、書斎にいる時は声をかけないようにするなど、二人で話し合ったと言われました。
それからというもの、わが家でも定期的に「事務連絡会」なるものを開き、お互いの手帳をつき合わせて、仕事のスケジュールを確認する時を持っています。
私は、結婚後も在宅で編集や校正の仕事を続けてきましたし、パン教室を開いたり、事務の仕事もしています。私の場合は大きな仕事を抱えたり、仕事の締め切り前になったりすると、余裕がなくなって、きりきりしてきます。そんな時、家事や育児を積極的にしてくれる夫の存在にずっと支えられてきました。
恥ずかしながら、私は本当に締め切りに弱く、ストレスがかかって悪夢を見てしまうほどなのです。以前、怖い夢を見て、「う~ん、う~ん」とうなっていた翌朝、「お母さんは夢の中で六甲おろしを歌っていたよ。さすが、阪神ファンだなあ」と、子どもたちとげらげら笑っていました。なんでも笑いに変えてくれる夫に、どんなに助けられていることでしょうか。
また最近は、結婚セミナーやファミリーキャンプの講師など、夫婦で奉仕する機会も増えてきました。準備のために打ち合わせする時から、夫婦でじっくり話し合うことができ、感謝しています。
仕事をする喜び、苦しみ、どちらもありますが、どんな時でも伴侶が味方でいてくれること、理解を示してくれることは、大きな力です。
第一回で取り上げた「愛されことば」においても、男性は特に「自分の仕事を評価してくれること」をあげる方が多いようです。また、女性では「家事をねぎらってくれるとうれしい」という声をよく聞きます。たとえ外で働いていなくても、女性の家事、育児も大変な労働だと思います。お互いの仕事をねぎらい、感謝のことばをかけ合うことの大切さを思わされます。「いつもありがとう」「お疲れさま」のたった一言によって、立ち上がれる日があるのです。