エクレシア
――欧州に集められた
神の家族を訪ねて 第2回 スイス邦人宣教のはじまり
内村伸之
ミラノ賛美教会牧師
今日は、イタリアのお隣さんである、スイスにおける邦人宣教の歩みをご紹介します。スイス日本語福音キリスト教会は、2013年で創立20周年を迎えました。始まりは、日本宣教の経験があるスイス人宣教師たちが、スイス国内でも日本語で福音を伝えていく必要性を強く感じ始め、祈りを積むことから始まりました。やがてその祈りに、日本語キリスト教会の設立を望む日本人クリスチャンたちが加わるようになりました。今から25年ほど前のことです。
そして1993年10月、スイスのウスターという町で、数人のスイス人宣教師と、日本人家族数組が初めてともに集い、賛美と祈りを捧げ、みことばを分かち合う最初の礼拝が捧げられたのです。こうして、キリストの体であるエクレシアが、主の御心によって建て上げられたのですが、牧師はいませんでした。スイスに一時帰国中の宣教師や、ヨーロッパを旅行中の牧師らが礼拝メッセージを取りつぎました。教会はどんなときにも礼拝を欠かさず、牧師がいないときには、カセットテープで日本語の説教を聴きました。
2000年2月には、田辺正隆・みや子夫妻を初代牧師としてお迎えし、それ以降も教会には日本からの留学生、企業の駐在員、国際結婚のカップルを送ってくださり、イエスを主と告白し、洗礼を受ける者を与えてくださいました。2010年7月には、田辺牧師夫妻退任後の牧師としてゲルスター宣教師ご夫妻が二代目の牧師として就任され、ミラノ賛美教会の牧師である私が、就任式の司式を執り行わせていただきました。そして今、三代目の牧師としてマイヤー・マルティン師をお迎えし、新たなスタートを切っています。この教会の特徴は創立以来、ドイツ語(スイス)と日本語の二か国語での礼拝を大切にしていることです。そして欧州における諸教会や集会を結び合わせるハブの役目を果たしているのです。神様が欧州における邦人宣教のために、人々の心に思いと情熱を与え、教会を建て上げ、成長させてくださる業を見て、御名を崇めています。