エクレシア
――欧州に集められた
神の家族を訪ねて 第11回 ノルウェー オスロJCF(ジャパニーズ・クリスチャン・フェロシップ)
内村伸之
ミラノ賛美教会牧師
ノルウェー王国の首都オスロ、人口約60万人が暮らす北欧有数の世界都市です。この町にあるノルウェー オスロJCF(ジャパニーズ・クリスチャン・フェロシップ)は、今は亡き、福田雅子さんという女性の献身からはじまったエクレシアです。
福田さんは、私が2003年にイタリアに日本人初の宣教師として赴任したときに、そのことを誰よりも喜んでくださった方でした。その頃、福田さんはノルウェー人のアンデルさんというご主人とともに自宅を開放し、福音を伝えていたのです。
そして彼女はずっと以前から、ミラノには多くの日本人が暮らしているのに、日本語の教会がないことに胸を痛めて「イタリアでも日本語宣教が行われるように」と祈っておられました。そして赴任したばかりの私にささげものを携えてきてくださり、「宣教に疲れたらオスロに遊びに来てください」といつもメールを下さいました。
しかし福田さんは10年前、ご家族と一緒に自転車で湖まで出かけて、長い坂道を下っている時に転倒してそのまま昏睡状態になり、2004年の8月16日の午後3時に、55歳の若さで天に召されました。
600名収容できるノルウェー国教会の大聖堂で葬儀が行われ、私たち夫婦も参列させていただいたのですが、入りきれないほどに人があふれて皆この方との突然のお別れに涙していたのです。あらゆる国の人々が集まっており、オスロに住んでいる日本人はほとんど全員が来ていました。
葬儀の際のご主人の言葉を今も思い出します。アンデルさんは福田雅子さんと出会ったとき、あまり言葉も通じなかったそうですが、すぐに同じ夢をもっていることを知ったと話してくれました。それは「イエス様の愛と聖書のみことば」という種をオスロで日本語で人々に蒔くという夢だと話してくれました。その夢は、今もオスロJCFのメンバーたちに引き継がれ、豊かな礼拝と交わりがもたれています。
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