ココロの出会い ~世界を旅して 第1回 vol.2 希望の橋 ~カンボジア~
森祐理
福音歌手
ハレルヤ! 今月の国は2010年2月に訪れたカンボジアです。寒い日本から飛行機で5時間。シェムリアップ空港に降り立つと、ムッとするような熱い空気に包まれました。カンボジアといえば世界遺産のアンコールワットがあり、観光地のイメージもありますが、それはほんの一部で、少し車で走ると小さな村々が点在する貧しい国です。
今回の目的地は、タイ国境に近いアンロンベン地区。泊まったゲストハウスは、村で唯一お湯の出る部屋でしたが、蚊の大群でびっくり。そこでの食事1食分が、村人の1か月分の給料だと聞いて、胸がつまりました。
でも、子どもたちは元気でした! 一緒に歌い、「Jesus loves you!」と言うと、目をキラキラ輝かせ、笑顔でうなずいてくれます。子どもたちにイエスさまを伝えられるのは、うれしいことですね。さらに奥地に行くと、壊れかけた小屋があり、中から子どもたちが出て来ました。母親も傍にいたので、「お子さん多いですね。何人いるのですか?」と尋ねると、お母さんは、首をかしげています。「あの……」。するとスタッフの方が私の耳元で言ったのです。「ユリさん、この方は学校に行けなくて数を数えられないんです。だから自分の子どもが何人かわからないのです」。ショックでした。この母親だけでなく、多くの村人が文字も読めず、今日が何月何日かもわからないそうです。外で無邪気に遊ぶ子どもたちも将来学校に行ける希望はありません。この子たちに学ぶ機会と生きる意味を、と深く祈らされました。
幸いなことに、この村では学校のある村に行けるよう、橋を架ける働きが始まっているそうです。たった一本の橋が子どもの人生を変えるかもしれない、私もそんな橋を架ける助けをしたいと思わされました。何よりもこの村の人たちが、天国への架け橋であるイエスさまを知り、希望に輝いて生きるよう今も祈り続けています。