ココロの出会い ~世界を旅して 第10回 vol.10 「大人になりたい」 ~エチオピア~

森祐理
福音歌手

10月16日は、国連の定めた世界食料デー。毎年10月は各地で食料デーの大会が開かれ、私もあちこちで奉仕をさせていただいています。きっかけは2006年のエチオピアの旅。色々な国に行きますが、その中でも大きな影響を受けた、忘れられない旅となりました。
日本からタイのバンコクまで5時間、そこで乗り換えてエチオピアの首都アジスアベバまで約10時間。ようやく到着して現地スタッフと合流し、ホッとする間もなくランドクルーザーにペットボトルの水を積み込んで出発。目的地の村までは、2日の道のりです。トイレもなく(どこでもトイレOK!?)砂ぼこりとガタガタ道が何時間も続く大変な道中ですが、それでもアフリカの大地は雄大で、神様の造られた自然の素晴らしさを堪能しました。
2日目の夕方、サシガという村に到着。こんな奥地でも教会があり、クリスチャンが多く、村中の人々が大歓迎してくれました。一緒に歌った賛美を私は生涯忘れないでしょう。まるで演歌のような旋律で、リズムも不規則。今まで聞いたことのないような変わった音楽なのですが、大喜びで歌っているサシガの人々の姿に感激。同じクリスチャンとして一つの主を賛美できる喜びこそが、本当のハーモニーなのだと思わされました。
学校を訪問して子どもたちと歌ったことも特別な時間でした。「学校の先生になりたい」「お医者さんになりたい」と無邪気に話す子どもたち。でもその本当の夢が、「大人になること」と知ったとき、私は言葉を失いました。マラリアやエイズなどの病気で5歳までに死んでしまう割合が高いそうです。大人になりたい……こんな当たり前の願いを叶えてあげたい、私にできることはなんだろう。それが日本国際飢餓対策機構の親善大使を始めたきっかけでした。小さな働きですが、イエス様の愛された一人の魂のため、この手を差し出していきたいと願っています。

<編集者より>
石川ヨナさんはインタビューの間、ずっと笑顔で話してくれたのが印象的でした。きっと苦しみの中でこそあの笑顔と主への強い信頼が生まれたのだろうと思います。これまでにない小説というスタイルが、これまで届かなかった人たちへの新たなアプローチになるとよいな、と思います。(永倉)

先日、病から回復された方々が相次いで教会に戻られ、温かい空気に包まれました。そして、新たに手術を決意する方も。病と人生は切り離せず生き方を大きく変えると痛感。今まで病に対して恨みに近い思いを抱いていましたが、対決ではなく病と共に生きていくことを意識させられました。(加藤)