森祐理
福音歌手

　さぁ今月は、ニュージーランドの旅です。ここは、人口より羊のほうが多いという島。
自然に溢れ、空も海も輝いて本当に美しく、日本からの留学生も多いそうで、「こんな所に住めるなんて、羨ましいなぁ」と思いました。ところが、初めて会った留学生は、「学校で悪さをして、オーストラリアから国外退去になりました」と笑い飛ばす茶髪の青年。次に会った学生は、「人生の目的がわからずここまでやってきました」と涙ぐむ女の子。美しいこの国で暮らす方々も、みんなさまざまな事情を抱えながら、必死で生きているのだなと思わされました。そんな留学生たちや子育て中のお母様方、商社マンの方々とともに、コンサートを通し、主の恵みを分かち合えたことは、とてもうれしかったです。
普通なら、コンサートが終わるとすぐ帰国なのですが、さすが癒しの国ニュージーランド。現地の方々が特別な休日を用意してくださったのです。そこで訪れたのが、羊動物園。
ここで、「羊飼い」ならぬ「羊飼い犬」のショーを観賞しました。この羊飼い犬、すごい統率力で、「ワン」と吠えるだけで百頭以上の羊を巧みに操ります。1回吠えると「行け」、2回吠えると「止まれ」。その見事なリーダーぶりは圧巻でしたが、それだけでなく、1匹の羊が迷ったら、他の群れを待たせておいてその1匹を連れ戻したり、弱っている羊がいたら列の先頭にして守ったりするのです。まさに、「主は私の羊飼い」（詩篇23：1）。この聖書の言葉が、実際のこととして胸に響きました。主は、この羊飼い犬のように、いえそれ以上に私を守り、導き、迷ったら捜し出してくださるお方、イエスさまがおられたら大丈夫だ！ そう心から思わされました。ショーの後で、敬意をこめて羊飼い犬に挨拶に行きました。うれしそうにしっぽを振ってくれた姿が今も忘れられないです。