ジェームス・フーストン
来日記念出版コラム part.1 「友情」
坂野慧吉
浦和福音自由教会牧師
ジェームズ・フーストンの「霊性」あるいは、「霊性の神学」の中心になっているのは、おそらく「友情」と「物語あるいは旅」であろうと思われる。
彼は、今から何十年も前に教会が直面するでだろう課題について目が開かれ、イギリスで同じ問題意識を持つハンス・ビュルキと友情を確認している。それまでにも様々なキリスト教会の流れを汲む兄弟たちと友情を深め、歴史の中に働く神の御霊の働きを学んだのであった。
カナダのバンクーバーのリージェント・カレッジを創設した後は、授業で講義をするだけではなく、有志の学生の祈り会を主催し、個人的な相談に乗り、霊的な指導をし続けて来た。学生たちと友情を築くだけでなく、志を同じくする教師たちとの友情を大切にした。
1998年、私はリージェント・カレッジの夏季セミナーに参加した。テーマは「三位一体の神」と「霊性」に関するもので、講師はフーストンともうひとり組織神学の教授であった。二人は、それぞれ信頼し、それぞれの観点から「三位一体の神」とその交わりが私たちに与える恵みについて語った。
セミナーの後、ご自身のお宅まで歩いて帰らないかと誘ってくださった(この事については、拙著『スピリチュアル・ジャーニー』で記させていただいた)。そして私が持っていた重い荷物を負ってくださり、森の中を歩きながら「三位一体の神」について話してくださった。私のような者とも主にある友情を築こうとしてくださったのだ。
『神との友情』という本は、単に机の上で記されたものではなく、このようなジェームズ・フーストンの友情と「三位一体の神との友情」が根底にある書物なのである。今回の来日を通してひとりでも多くの人が、この「友情」にふれていただきたいと願うものである。
『神との友情』
あなたを変える祈り
著者は「祈り」を交わりととらえ、「自らが変えられ、神の友とされることである」と語る。「父なる神に対して、子なる神を通して、聖霊によって祈る」と、三位一体を意識して「祈り」にアプローチする。 四六判 368頁 2,520円
*3月に新刊『喜びの旅路』を出版予定です。
*フーストン師によるセミナー[3月26日~29日]と講演会[4月2日]が予定されています。
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重田稔仁
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