スペシャル著者インタビュー 『ひとりぼっちで明けない夜に』
カリン・ザイエンガさん

 カリン・ザイエンガさんは大分県で働く宣教師。独身女性。米国人ならではの率直な意見を書き、今年七月に発行された『ひとりぼっちで明けない夜に』は日本の多くの独身者を励ましている。

 「自分は神から呪われているから独身なのだと思っていたが、神が私を愛していることが分かりましたという意見や、独身であることの『苦しみ』を持つ人が、自分のほかにいることを知って安心したとの意見をたくさん頂きました」

 「独身は呪い」だとカリンさんは書いている。その言葉に読者の中に、反発を覚えた人もいるのではないだろうか。

 「もっとはっきりと説明しなければならないのかもしれません。私が言いたかったのは、『独身』であることは、その人自身が悪いことをしたからとか『欠陥品』だからということではなく、原罪がもたらした『呪い』であるということが言いたかったのです。私にとって、それはものすごい励ましになったのです」

 カリンさん自身も、そのことを理解するまでは、独身であることに苦しみ、神様に対してすごく怒っていたという。「神様は愛じゃない。私を愛してくれない」と。だが、今は「独身者」の存在は、決して神のせいではなく人の罪の性質のためだと言う。

 「神様は『いじめ』で私を独身者としているわけではない。私に、またはみんなに『幸せな結婚をしてほしい』と一緒に泣いてくれていると思う」

 そのうえ、「呪い」のはずの独身が、「賜物」に変わるのだという。

 「新約聖書でも生まれつきハンディキャップのある人に対して、イエス様は、誰かが罪を犯したからではなく、神の栄光が現れるためだと言っています。もちろん神はそのハンディキャップを望んでいる訳ではないと思う。でも、そのハンディキャップを通しても栄光を現すことができる。独身である状態を受け入れて、そしてその状態のまま自分を神様に『使ってください』ということができるのです」

 そしてカリンさんはこうアドバイスする。「結婚してから、大学を卒業してから。子どもが大きくなってから、と、独身者だけでなく、多くの人が何かと理由をつけて、スタートラインに立ったままです。走り始めることが大切だと思います。独身者の場合にも、待っていないで走り始めてほしい。同じ方向に同じペースで走っている人と手をつないで、一緒に走っていければと思っています」