スポーツミニストリーの挑戦 第11回 きっかけと継続
蔦田聰毅
インマヌエル堺キリスト教会牧師
スポーツネット関西/大阪・主事
連載のお話をいただいてから早くも一年、今回を入れて最終回まであと二回ですが、ここまで拙文にお付き合いくださり、どうもありがとうございました。感想や情報をお寄せくださった方々にも感謝申し上げます。
しばらく前になりますが、サッカー日本代表の識者の見解として、新聞記事でJリーグ理事である大学教授の名が目に留まり、思い出したことがあります。来る東京オリンピックに向けても大切な役割を担われるこの教授の直下には、クリスチャンのスポーツトレーナーがおられます。その方に昨年、スポーツ伝道の国内の関係者が一同に会する「日本国際スポーツパートナーシップ:JISP(Japan International Sports Partnership)」でお会いしました。
その数日後、北海道の読者の方からご連絡をいただきました。「スポーツ医学を通してミニストリーをしたいと願っている者です。私に何かできることはありますか?」
早速、お二人が連絡を取り合えるように手配しました。生まれて半世紀余り、北海道へは数年前の日本伝道会議に参加した一回しか行ったことがありません。が、こんな不思議な出会いにかかわれたのは、スポーツミニストリーに携わっていたこと、ネットの時代に生きていることを、主が用いてくださったから、と感謝しました。
北海道といえば、札幌を拠点に活動するクリスチャン・バンド「ナイトdeライト」は、Jリーグのコンサドーレ札幌のオフィシャルソング「終わらない夢」を歌った人気バンドです。阪神タイガースのマット・マートン選手の昨シーズンの登場曲「Stain」も彼らの曲です。
さらに、札幌のICF教会員の矢崎弘志医師からはこんなお便りが届きました。「私たちの教会では、昨年十月より毎月一回、教会のメンバーおよびそのお友達を中心に、フットサル・ミニストリーを始めました。参加者は小学生以上、男女問わず、毎回三十名くらいが集まっています。その集まりから、教会のCSや礼拝に導かれるように祈り、交わり、活動しています」。写真からは、元気な声がここまで聞こえてきそうな、生き生きとしたようすが伝わってきました。このやりとりをきっかけに、メールで遠い北海道の先生とよいお交わりが始まり、とても感謝しています。
このようなスポーツ活動をしている教会やクリスチャングループは、きっとほかにもあるでしょう。
そして、スポーツを楽しむクリスチャンたちが連絡を取り合い、祈り合い、励まし合いながら、できる範囲で協力してゆければ、さらに大きな力になると思うのです。
東京・東久留米市にあるインターナショナルスクール、CAJ(クリスチャン・アカデミー・ジャパン)では、土曜の体育館で、教師でもあるスモーカー宣教師が頻繁にフットサル大会を開催しています。年齢別のプログラムが組まれ、休憩時間にはお証しやショートメッセージがあります。参加者の半数近くが未信者のときもあります。スポーツ好きのクリスチャン青少年には、友人を主の近くにお連れする経験を積む、よい機会ともなっているようです。
兵庫・尼崎では、友達の友達、そのまた友達、というようなゆるいつながりで連絡し合って集まった十~二十人で火曜夜十時前後に二時間ほどフットサルをしています。半数近くがクリスチャンのときもあります。何年か続けた後、月一度ほど、土曜午後に教会を借りてティータイムを持ち、教会に足を踏み入れる機会を作り始めています。
*
私が大坂・堺でフットサルチームに入ってから十五年経ち、周囲の環境、会場、メンバー(&自分の体力)、いろいろ変わりました。ここで出会って教会に来たTさんや、主を信じたM兄のことは、以前書いたとおりです。三十数人のメンバーのうち、毎週十~二十人くらいが集まります。最近になり、以前小学校でサッカーを教えていた卒業生も加わりました。今はクリスチャンは私一人ですが、以前は「牧師」が四人も(韓国の宣教師含め)いたときがありました。ここでは、だれも「先生」なんて呼ばれません。金さん、岡ちゃん、ヒデ、BJ……。ここに集まる人たちは、教会、キリスト教、牧師に対して親近感を持ち、少なくとも違和感や拒絶感はなく、折あるごとに福音に触れる機会があります。また、スポーツ協力を通じて、近隣の教会や先生方と親しくなれたのも、とても貴重な実の一つです。
特別集会はすぐに開けなくても、スポーツチームに入ってみる、スポーツ大会を開いてみる……。一、二人で、一教会で、クリスチャン仲間数人で、何か始められることがあるのではないでしょうか。まずは祈り始めてみませんか。
ぜひ全国のスポーツミニストリーで、相互協力できればと思っています。
情報提供をお願いします! Email : publish@wlpm.or.jp「スポーツミニストリー情報」宛