スポーツミニストリーの挑戦 第9回 日本のスポーツミニストリーの歩み

蔦田聰毅
インマヌエル堺キリスト教会牧師
スポーツネット関西/大阪・主事

実際に国内で継続されているスポーツミニストリーをレポートしたいと思います。米国のクリスチャン学生サッカー宣教チームの「シーホース」については、これまで何回か言及してきました。一九九六年に初来日後、七年連続して名古屋で奉仕し、二〇〇二年の日韓ワールドカップを機に発足したスポーツネットを通じて、二〇〇三年からは静岡や山口、そして私の住む関西にも働きを広げてくれました。
以来十二年にわたり、関西では大坂・堺の教会を宿泊所・拠点としながら、三重・京都・兵庫の各県にも福音の羽を伸ばし続けてくれています。二〇〇三、二〇〇四年は男女各一チームが、二〇〇五、二〇〇七年は男子チーム、それ以外はずっと女子チームが来てくれました。今年は久しぶりに男子チームが来日してくれる予定です。
その関連で生まれたのが、現在、兵庫県の尼崎、西宮を中心に活動している「シーホースサッカー・インターナショナルクラブ」(以下SSIC)です。簡単な英会話なども取り入れつつ、サッカーを楽しむ、小学生対象のクラブチームです。私個人にとってもスポーツミニストリーのかけがえのない同労者であり、生きた信仰のよい手本として存在してくれている彼らの働きを紹介できることは喜びです。

   *

クラブチームの代表である横田宣教師夫妻(以下マサ&チエ)は、米国への留学中に「シーホース」のメンバーとして活躍し、帰国後は毎年来日するチームに協力していました。マサは、留学中にはNAIA(全米大学競技連盟)全米学生のベストイレブンに二回も選抜された逸材です。
普段は社会人として働きながらも、神さまからのスポーツミニストリーへのチャレンジは、このご夫妻の心に与えられ続けていました。
留学時代のマサの同級生であり、チームメイトでもあったジョン・デソーザ氏にも、同じ思いが与えられていました。「シーホース」のメンバーとして来日した二〇〇五年に、ジョンの思いは決定的になり、彼はチームが帰国した後に家族を伴って再来日し、主からの招きを確信します。一方、マサもテントメイキング的な仕事を続けながら、ビジョンを膨らませ、具体的な働きのスタートに向けて祈りと準備を重ねていきます。
私がいつも彼らに教えられ、励まされるのは、すでに持っているグランドや資材、経済的サポートの保証に頼るのでもなく、だれかの進めているプロジェクトに乗っかるのでもなく、ただ神さまに頼り、その御心を確かめながら、純粋に信仰によって働きを進めているところです。ココまで真実に神に頼る“子どもたち”を誠実な主が放っておかれるはずがないじゃないか、ということを、この時代にあってなお、シンプルに証しし続けているところなのです。
目に見えるものより先に、この二組の夫妻に同じ思いを分かち与えなさった神さまは、「日本にスポーツミニストリーを!」というそのビジョンに単純に従う中で、人の目にはミラクルの連続としか見えないような方法で、道を開き、必要を満たし、クリスチャンだけでなくノンクリスチャンの多くの理解者・協力者・参加者を備えてくれました。そして彼らを助け、導き、祝福されました。
二〇一〇年の春、ジョン&ターシャ宣教師夫妻が来日。その「後」に、とある会社のグランドの空きを紹介され、活動拠点が与えられ、九月にSSICが発足しました。
ジョンはブラジル系アメリカ人ですが、ブラジルの地元では地区代表のフットサル選手でもありました。二人のサッカー人としての賜物は人もうらやむほどのモノですが、それ以上に神さまは、そのシンプルな信仰人として、この二つの家族を祝福し、用いられました。ジョンとマサがサッカーの指導に励む傍ら、ターシャとチエにも、生徒のお母様方や家族とのつながりをもとに、英語クラスなどの交流とお証しの場所が与えられていきました。これが、「インターナショナルクラブ」という名の所以でもあります。
SSICの礎石を据えるために用いられたジョンと家族は、その使命を果たして次の宣教地へと移りましたが、働きは確実に進みつつあり、今は尼崎と西宮の四箇所で五教室が開かれています。所々に不思議な形で協力者が送られてきます。
私は彼らの働きを見るときに、いつも神さまの「微笑み」を感じさせられます。神さまのミニストリーはいつも、神さまのチャレンジに真実に応答する人から始まるのです。

全国のスポーツミニストリーで、相互協力できればと思っています。情報提供をしてくださり、ありがとうございます。Email : publish@wlpm.or.jp「スポーツミニストリー情報」宛

シーホース・サッカーインターナショナルクラブのHP
http://www.seahorsejapan.com/