ビデオ 試写室◆ ビデオ評 100 レフトビハインド3
DVD「続トリビュレーション・フォース」

レフトビハインド3 DVD
古川第一郎
日本キリスト改革派 南越谷コイノニア教会牧師

“近未来「預言」小説” 第3弾ついに発売

 ある日突然、謎の新種ウィルス感染が発生。感染は拡大の一途をたどり、沢山の人々の命失われます。アメリカ大統領フィッツヒューは、このウィルスの発生源を調べます。その結果、一つの発電所から異常に多量の情報が「世界共同体」(Global Community)に送られていることを発見。その発電所に潜入して、そこで生物兵器が製造されているのを目撃します。そして、このウィルスが何によって運ばれたかを知って、愕然とします。聖書でした。

 この「世界共同体」(Global Community)とは、国連事務総長のニコライ・カルパティア(ゴードン・カリー)が、「世界平和のため」という名目で創設したものですが、本当の目的は、自分が世界を支配することでした。「人種、政治、宗教を超えた共同体」。美しい言葉です。悪魔ほど美しい言葉を多用する者はいないかもしれません。多くの国が、彼に賛同して武器を棄てます。ニコライは、「既成の宗教は対立の原因になるので、新しいただ一つの宗教を信じよう」と言い、聖書を禁止、没収します。彼の言う「平和」は、多様性の中での調和ではなく、独裁的ファシズムです。

 しかし、クリスチャンたちは没収された聖書を取り戻し、一人でも多くの人に渡そうとします。そこにニコライの罠がありました。汚染された聖書を受け取った人たちが、次々に死んでゆくのです。自分の責任を感じて苦しむブルース牧師(アーノルド・ピノック)。そのブルースも、さらにクローイ(ジャナヤ・スティーヴンス)も、ウィルスに感染して、死の床に就きます。しかし・・・。


 恐ろしい企てほど、美しい言葉で飾られています。今の日本も、同じ危険の中にあります。しっかりと真実を知り、真実を伝えるキリスト者が、必要とされています。

 今回は、アメリカ大統領役として、『愛と青春の旅立ち』の名優ルイス・ゴゼットJRが出演して、重厚感を加えています。現実には実現していない、アフリカ系の大統領です。

 『レフトビハインド』シリーズの第三巻、苦悩と混乱の時代に、真実を語ることの勇気と、そこに表れる神の助けから、多くの励ましを受けることができました。

 聖書の終末を題材にして空前のスケールで描かれたレフトビハインドシリーズ。これで第1巻~第3巻の完全映像化DVDが揃いました。終末の近い昨今、ぜひクリスチャンたちに観てほしいシリーズです。