ビデオ 試写室◆ ビデオ評 108 夢がかなわなかった人たちこそ、最高の人生を送る!
DVD「三本の木」
古川第一郎
日本キリスト改革派 南越谷コイノニア教会牧師
『三本の木』の伝説を、美しい映像のアニメで鑑賞できるようになりました。
このサンプルを観ていたら、少し前に観た『嫌われ松子の一生』(中島哲也監督)の冒頭に出てくるナレーションを思い出してしまいました。「夢を見るのは自由だ。でもその夢をかなえ、幸福な人生を送る奴なんて、ほんの一握りで、だから、そうじゃないその他大勢は、悲しいため息をつくか、惨めに酔いつぶれるか、さっさと人生を終わらせるか、笑ってごまかすか、開き直って犯罪に走るか、どっちにしても、お先真っ暗で……」。シンデレラのようにすてきな王子様と結婚することを夢みた松子が、悲しい一生を送り、しかし最後に「神様」を表す存在となります。
この三本の木は、自分が描いていた夢とはあまりにも違う現実に、失望している人たちを象徴しているようです。
オリーブの木の夢は、「宝石で光り輝く、王様のための宝箱になって、宮殿に住むこと」でしたが、その夢はかなわず、なんと、家畜の小屋の一部にされてしまいました。
カシの木の夢は、「世界中を航海する大きな船になること」でしたが、現実になれたのは、湖に浮かぶ、小さな釣り舟でした。
マツの木の夢は、「森の中で一番高い木になって、天にまで届くほどの枝を人々に見せて、神様を思い出させる木になること」でしたが、嵐と雷のために折れて、山道に落ちて、道をふさぐ邪魔者になってしまいました。
三本の木はどれも、不本意でした。たった一度の生涯が、このままで終わってしまうのでしょうか?いいえ、もっと大きな形で夢がかなうのです! ナレーターのハル・ホルブルック(日本語版:ブラザートム)が語ってます。
「神さまは、時々、私たちの夢を、もっとすばらしい形でかなえてくれます。私たちが夢見ることは、小さすぎるからです。」
人間が描ける夢なんて、最高の夢でも、ちっぽけです。神様が一人ひとりに持っておられるご計画は、自分で描ける夢なんかより、もっと大きいのです。だから、夢がかなわなかったときこそ、最高の人生の出発点にいるはずです。このことを知っている人には、夢が破れたとき、ため息をつくのでもなく、酔いつぶれるのでも、笑ってごまかすのでも、犯罪に走るのでもない道が、あるのです。
「たとえば?」と聞きたいなら、このDVDを観てください。この「三本の木」は、自分にそんな大舞台が待っていると、どうして想像できたでしょうか!