ビデオ 試写室◆ ビデオ評 111 IT時代のバイブルストーリー「アニメ親子劇場」の続編
DVD「パソコントラベル探偵団」
古川第一郎
日本キリスト改革派 南越谷コイノニア教会牧師
1981年から83年にかけて、テレビ東京で、ゴールデンタイムに放映されていた聖書アニメ(タツノコプロ制作)の最後のシリーズです。「アニメ親子劇場」「トンデラハウスの大冒険」が好評だったので、83年の「パソコントラベル探偵団」の放映となりました。「アニメ親子劇場」の続編という形をとっています(多分、教会に一番子どもが集まったのも、この時期でしょう)。
「アニメ親子劇場」は、翔とあずさという二人の子どもが、「タイムブック」という不思議な本に吸い込まれて、聖書の世界に入っていくというパターンで、毎週のエピソードが始まりました。「パソコントラベル探偵団」の舞台は、それから5年後。翔とあずさが成長して、声優も代わっています。
二人の新しいキャラが登場します。一人は翔の弟の悠(5歳)、そしてお父さんの弟の飛鳥研(ケンおじさん)です。おじさんは科学者で、二つの贈り物をくれました。一つは、まだ多くの人には「未来の夢」だった「パソコン」。そしてもう一つ、「アニメ親子劇場」では、おもちゃのロボットだった「ゼンマイジカケ」を、子どもと等身大の人格のあるロボットにしてくれました。すごいですね。
ある日、ちょっとした事故で、「タイムブック」のデータがパソコンにインストールされてしまいます。そのとき、飼い犬のキッチョムがパソコン画面の中へ吸い込まれて、聖書の世界へ迷い込んでしまいました。「大変だ!キッチョムを探しに行こう」というので、翔がパソコンで「タイムブック」を操作し、聖書の世界へのタイムスリップを試みますが、向こうへ行けたのは悠とゼンマイジカケだけ、翔とあずさは現代に戻ってしまいます。
それから、翔とあずさは、パソコンでキッチョムを探して、見つけると、ゼンマイジカケに内蔵されたモニターを通じて、悠に場所を教えます。そこへ悠たちが行ってみると、聖書の有名な出来事に出くわす、というパターンになっていきます。それから26話、アブラハム、ヨセフ、モーセ、サムエル、ダビデなどのほかに、「アニメ親子劇場」では取り上げられなかったロトや、エフタ、デボラ、ヨアシュ、ヒゼキヤなども登場します。物語は、聖書に忠実に描かれます。
エンディングの「リンドンベル風の唄」(唄/奥畑由美、現在の秋島由美)は、今でも「大好きなアニメソング」の一つに入れている人がたくさんいるようです。
しかし、これが今発売されるのは、ただ懐かしいからではありません。そのことを次回お話したいと思います。