ビデオ 試写室◆ ビデオ評 113 歌、ダンス、トークで賛美
DVD「プレイズワールド」
古川第一郎
日本キリスト改革派 南越谷コイノニア教会牧師
「賛美は歌うこと」。これは固定観念です。マリヤが天使の告知を受けたとき、声高らかに賛美しました。この有名な「マリヤの賛歌」は、歌だったかどうかわかりません。でも、「わがたましいは主をあがめ……」と始まっているので、まちがいなく「賛美」です。
ところでこれを英語で読んでみると、“My soul magnifies the Lord”(NKJV)。「賛美する」は「マグニファイ」(大きくする)という言葉です。「心の中で、神様を大きくする」。これが賛美です。それなら、いろんな形がありえます。
教会でゴスペルを歌っていたとき、ダウン症の男の子がいました。彼は言葉で歌うことができません。「ああ、配慮が足りなかったな」と思ったとき、彼は通路に出て踊り始めました。歌えない彼は、思い切り踊って賛美していました。それによって、みんなの賛美が元気づき、歌える人は歌で、彼は踊りで、どちらもできない人は手を叩いて、それぞれの形で賛美しました。そのとき、みんなを包んでいる神様を大きく感じました。
また、入院すると歌は歌えません。でも賛美はできます。私は入院する前に、たくさん賛美を歌って録音して行きました。もちろん市販のテープも使って、「聴く賛美」ができました。神様を大きく感じたら、苦しみも半減します。さらに手を上げる、叫ぶ、またうめくことによってさえ、賛美できます。
さて、かつて「画期的な賛美」として人気を集めた『プレイズワールド』がDVDになります。「ジャンプ」「ジョイ」「チャレンジ」(各30分)が1巻になります。「ジャンプ」では、振り付けをていねいに教えてくれます。「ジョイ」では、声楽家の加賀清孝さんが「おにいさん」として加わっています。「チャレンジ」の「おにいさん」は、若いアーサー・ホーランド牧師です。
歌と歌との合間にリーダーの「おにいさん」「おねえさん」、子どもたち、そしてマペット(人形)たちが、おしゃべりをします。たとえば、「新しい洋服や自転車をプレゼントしてもらったら、大喜びするけど、それが古くなっちゃったりしたら、もううれしくなくなっちゃう」「何か、いつまでも喜んでいられるプレゼントってないのかなあ」「あるよ!」「イエス様から来る喜びは、もう絶対に消えることがないの」「わあ、すごーい! そのためには、どうしたらいいの?」「どんなときにも、神様を賛美することだよ」。そして十字架の福音がちゃんと語られます。これは、「語り合う賛美」かもしれません。
特典映像として、カラオケと、歌詞の映像が、同時に出てくるプログラムが付いています。歌と踊りを覚えて、教会学校などで思い切り賛美しましょう!