ビデオ 試写室◆ ビデオ評 70 『ミラクルメーカー』
古川第一郎
日本キリスト改革派 南越谷コイノニア教会牧師
ヤイロの娘の心に映ったイエス

「お医者さん何だって?」「ああ、よく休むようにと」「あたしは大丈夫よ」
タマルの口癖は、「大丈夫」。これは、親を安心させるためだけでなく、自分にも言っているのです。「大丈夫!」 肯定的で、思いやりのある、明るい女の子。このタマルはヤイロ家の光であり希望でした。そのタマルが不治の病とは!もう長くは生きられない命とは! 何と残酷なことでしょうか。
この映画は、イギリスのCartwn CymruとロシアのChrismas Filmsの合作です。このコンビはすでに多くの作品を発表し、エミー賞、オスカー賞など、数々の賞を受賞しています。この作品は、4年にわたる感動的な努力の賜物です。モスクワでは、6つのスタジオセットで250人のスタッフによって、ロシアの代表的なアニメ監督ストラニスラフ・ソコロフのもとで制作が進められました。同時に、イギリスの最も有能なアニメ画家たちがウェールズに集まり、かたずを呑むような見事な原画を描いていたのです。そして、あの「パッション」を作ったメル・ギブソンの会社Iconも協力しています。この作品には、3Dと2Dの両方が使われています。つまり、人形のアニメと絵のアニメです。物語は3Dで描かれ、回想シーンや、たとえ話に合わせて出てくる映像―などが、ディズニータッチの2Dで描かれるのです。
さらに、これは「デジタルフィルム」という新しいフィルムで、空や水の動き、煙やちり、光などが、特殊効果で鮮やかに表現されます。
病気の少女の心のフィルターを通して描かれたイエス・キリストの生涯。病気や苦難の中にある人に、特に大きな光になればと思います。