ビデオ 試写室◆ ビデオ評 99 レフトビハインドⅡ
DVD「トリビュレーション・フォース」

レフトビハインドⅡ DVD「トリビュレーション・フォース」
古川第一郎
日本キリスト改革派 南越谷コイノニア教会牧師

平和主義を装い、独裁をもくろむ反キリストとの戦い

 大人気の『レフト・ビハインド・シリーズ』。ようやく、第2作目「トリビュレーション・フォース」のDVDが完成しました。

 地球上から1億人以上の人々が消えてしまうという大事件が起こってから一週間、世界中が不安と混乱の極限状態。人々は強力な指導者を求めます。こんなとき、独裁者が出て来ます。ニコライ・カルパチア。若く、有能で、雄弁な国連事務総長。国連安保理は、彼に世界の指導と統一を委託します。その結果、ニコライは「全世界の大統領」としての権力を持ってしまいます。

 ニコライが打ち出した政策は、すべての国の武装解除、主要メディアの支配、そして宗教の統一。世界中が信じるただひとつの宗教を作ります。その教えは、「天国も地獄もない。存在するのはわれわれだけ。…国も力も栄光も、とこしえにわれわれのものである」という、人間崇拝の教えです。その人間たちが一致するために、ひとりのメシア(ニコライ)が全てを支配するというわけです。平和主義を装って独裁をねらうニコライは、「救い主(メシア)」として、自分を世界に紹介させようと、聖書学者のラビ・ベン・ユダを洗脳します。

 彼と戦うのは、ジャーナリストのバック、パイロットのレイ、その娘のクローイ、そして牧師のブルース。彼らはいのちをかけで事実を調べ、伝えます。ブルースは、ニコライが「嘆きの壁」を封鎖したニュースを聞いて、それが聖書の預言の成就だと直感します。「彼ら(異邦人たち)は、42か月の間、この聖なる都を踏みにじるであろう。」(ヨハネの黙示録11:2)それなら、そこには「二人の(キリストの)証人」が現われるはずです。嘆きの壁に行くために、レイはニコライのパイロットに、バックはニコライの報道官になります。バックは、洗脳された聖書学者ベン・ユダを連れて、嘆きの壁へ。

 そこには、やはり「二人の証人」がいました。「わたしは、自分の二人の証人に…1260日の間、預言させよう。」(ヨハネの黙示録11:3) ニコライは二人を殺そうとして、兵士を差し向けますが、彼らは焼死します。次の預言の通りに。「この二人に害を加えようとする者があれば、彼らの口から火が出て、その敵を滅ぼすであろう。」(同11:5)

 ラビ・ベン・ユダの洗脳は解け、彼のテレビ演説は、キリストを証しするものとなります。それをテレビで観ていたバックの助手アイヴィーも、涙を流して回心します。ニコライ・カルパチアは、温和な顔から一変して、怒りの固まりとなります。

 人気者ニコライの恐ろしい正体!人気や容貌で人を判断するこの時代に、重大な警告です。神のご計画を信じつつ、鋭い目で権力者を見張る使命が、教会には与えられています。終末の近い今の時代、ぜひクリスチャンたちに観てほしいシリーズです。