ファインダーから見た情景 2 素敵なカフェ
秋山雄一
フォトグラファー
旅の楽しみのひとつに、旅先の生活に入り込んでみることがあります。観光名所を回った後、少しのんびり街や人を眺める時間も楽しいものです。
イタリア、ミラノの街を歩いていたら、カフェ(エスプレッソ)の匂いに我慢ができず、吸い寄せられるように素敵なBar(バール)に勝手に足が向かいます。
自分の街にもこんなカフェがないかなぁと、うらやましくもBarの雰囲気を2時間ほど楽しみましたが、さすがに旅先でこれ以上のんびりすることはできませんでした。
自分の東京での生活に戻り、さっそく近所で素敵なカフェを探してみました。
当時カフェ・ブームということもあり、個性的な感じの良いカフェは結構あるものでした。
ただ、どんなにカフェでの時間を楽しもうと思っても、ミラノでのあのぜいたくな時間を感じることはできないんですね。
日々時間に追われる余裕のなさが、あの感覚を邪魔しているんでしょう。
ときどきミラノでの感覚を求めて、車で1時間半ほど離れた郊外のカフェに行きます。
ミラノや東京のような都会の洒落たカフェではありませんが、私のぜいたくな時間が流れるカフェは生活圏から少し離れたところにあるようです。