ブック・レビュー 『あなたの今日を生かす
バイブル・スパイス』
朴 栄子
在日大韓基督教会・豊中第一復興教会牧師
ピリッとスパイシーなメッセージを
今をときめく女性起業家の渡辺明日香さんの新刊を紹介します。お会いしたことはないのですが、同じアラフォー、経営者(牧師も経営者として日々悩んでいます)、素敵な女性、ということで親しみをこめて「明日香さん」と呼びたいと思います。明日香さんは、英語教材のブリタニカで世界一四二か国、二万人の中で年間成績トップに立った凄腕の営業ウーマンです。二〇〇四年に(株)「Luke19」を設立し、代表取締役社長に就任しました。ドキドキワクワクの会社設立の経緯は、前著『あすかとあいのバイブル百貨店』をぜひご覧ください。
新書判でかわいらしい装丁のこの本、女性が喜んで手に取りそうですが、ビジネス、営業、経営、教育、家庭……要するにあらゆる分野でがんばっている人たちに向けたピリッとスパイシーなメッセージがつまっています。「仕事に効く」、「人間関係に効く」、「未来を変える」バイブル・スパイスです。
前著を読んだ時も感じたのですが、明日香さんの使うことばはとても新鮮。宗教、祈り、聖書なんて今までおおよそ縁のなかった人にもフックとなるような、キラリと光ることばがちりばめられています。日ごろメッセージの中で、会話の中で、陳腐なクリスチャン用語を羅列していないだろうかと、わが身を振り返らされることしきりです。
大阪での講演会でのこと。販売用の著書が、別の会場に送るサンプルと入れ替わってしまい、イライラして落ち着きを失ったとき、「神がすべてのことを働かせて益としてくださる」(ローマ八・二八)とのみことばが浮かび祈ったところ、力強い講演ができたのです。手違いがあって著書を販売できない代わりにとサンプルを配ると好評で、すぐに書店で買って読んだという反響がたくさんあったそうです(「取り返しのつかないミスなんてない」より)。
聖書は「硬い」「難しい」「古臭い」という先入観を取り除く入門エッセイであり、かつクリスチャンに効くデボーショナル・エッセイとも言える一冊です。