ブック・レビュー 『ありがとうのてがみ』
さかもとふぁみ
『ちいさなリース』著者
子どもと一緒のディボーションで大活躍
おやすみ前の祈りのとき、私はこっそり片目を開ける。真剣な面持ちで祈る七歳の娘の祈りが、また世界をぐるっと一周し始めたのだ。家族、教会、お友達、先生のための祈りから始まり、北朝鮮、中国、ミャンマー、アフリカ、ルーマニアの人々のため、そして地球温暖化で苦しむ北極のシロクマのためにまで……。彼女の横顔を盗み見ながら、天のお父様が、幼子たちの純粋な祈りを微笑んで聞いておられる姿を想像し、胸が温かくなる。現代の子どもたちは忙しい。宿題、塾、習い事でスケジュールはぎっちり。さらに、テレビやゲーム、DVD、インターネットなど、あらゆるエンターテイメントが常に子どもたちの心を誘惑している。だからこそ、私たちは子育ての中で本当に一番大切なことから目をそらせてはいけないのだと思う。
「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい……これをあなたの子どもたちによく教え込みなさい」(申命6・5・7)。
本書が我が家で大活躍するのは、娘と一緒にディボーションをするときだ。美しいイラストに彩られたページをめくると、そこには神様が創造された四季折々の恵みとみことばがあふれている。わくわくしながら、ページごとに付いている封筒から、かわいらしいカードを取り出す。神様への「ありがとうのてがみ」だ。娘が大きな声で読み始める。「わたしを あいしてくれるかぞくを 神さま ありがとう。いっしょにあそぶ おともだちを ありがとう。だいすきな おうちと やわらかい ベッドを ありがとう……」。次に私がみことばを読んで分かち合い、一緒に祈るのだが、本書が我が家に来てから娘の祈りがまた長くなった。彼女が「ありがとう探し」を始めたからだ。
「今日は○○ちゃんとけんかしないで遊べてありがとう」「パパが一生懸命お仕事してくれてありがとう」「ステーキが食べれてありがとう」などなど……。延々と続く彼女の祈りに心を合わせながら、「こうやって親子で一緒に祈れる祝福を、神様、本当にありがとう」と、私も心から祈った。