ブック・レビュー 『こころからの安心』
鍋島 猛
日本イエス・キリスト教団 鈴蘭台福音教会 牧師
不登校・親と子の相談室 パラクレートス 代表
盤石の安心は「『さよなら』はいいません。『またね。』」この確信から
まだまだこれから宣教に、また執筆に多くの人が期待を寄せて止まない高木慶太先生を神様は、2001年12月、天にお召しになられました。2002年12月1日に発行された本書が先生の絶筆であったかどうかは知る由もありませんが、少なくともそれに近いものであることは確かであります。「彼は死んだが、信仰によって今もなお語っている」(ヘブル11・4)とは、まさにこの小冊子のことであろうと思います。
すべての人は、歩んで来た過去の罪への呵責、現在負っている悩みの重圧、迎える将来への不安によってがんじがらめになっています。高木先生は、これらの恐れと不安にご自分の体験から説き起こして、明解に三つの安心を提示してくださいました。そして、本書には、すべての人、福音に対してほとんど関心を持たない人々の心を、とらえて離さない魅力があります。
全31頁のうち、三分の二は、あるハンバーガー店のお話を除いては、聖書の真理の解き明かしです。残りの三分の一、「幼い子どもを遺して天国に旅立ったお母さんからの手紙」は心に浸みます。特に二人の子ども、まーちゃんとのりくんへの遺書は圧巻であります。
「『さようなら』は言いません。まーちゃんとのりくんがイエス様を信じたら、天国でまたママと会えるから。だからママは『またね』って言います。ママが今、神さまからいただいたいのちは、尊い永遠のいのち。」
読者にお願いします。ぜひ一気に読み通して下さい。このお母さんの子どもたちへの切なる思いを通して、きっと神さまの愛とイエスさまの恵みに触れることができます。そしてあなたの感動を小さい子どもさんを持つお母さん方に本書をプレゼントすることによって伝えて下さい。
最後に、装丁の良さと挿し絵の優しさが「安心」を倍加してくれます。