ブック・レビュー 『これでスッキリ、18の疑問』
キリスト教Q&Aシリーズ3
小宮山賜夫
日本アライアンス教団・呉教会牧師
キリスト教への「生きた疑問の声」に「生きたことば」で正統的回答
この本に書かれた、キリスト教に関する十八の疑問の項目を読むだけで、どきどきします。なぜって、質問者・リスナーの声が生きているからです。歴史を通して多くのキリスト教問答書があるということは、信仰に関するQ&Aって人類永遠のテーマでもあるわけでしょう。ましてこれらの疑問・質問が僕に向けられたら、果たしてどう答えることができるかなあ……って思ってしまいます。
「ちょっと聞きたいことがあるんですけど……」なんて言われたら、血圧は上がるし、脈拍はマックス。さあ、何?って身構えてしまうでしょう。
そんなときに、手もとにこの本があったりすれば、まさに鬼に金棒。「イエスさまサンクス」「山下正雄先生に感謝」です。
「これをよく読みなさい」が答えになるのですから。いやいや有り難い。
僕は、南長老教会系大学でキリスト教学を専攻、L・ベルコフの改革派神学通論や改革派神学概論を著者の岡田稔先生から直接学び、意気揚々と論文審査に臨みました。
すると僕の審査に限って神学の教授と学長まで座ってるんです。そして質問はまさしく究極のQ&A。
「何を学びましたか……」の一つだけ。
そのとき、おみ風さま(プネウマ)が僕の心に流れて「僕は、自分が聖書を何も知らないということを学びました」と答えました。その返答に教授陣はニコリと微笑み「よろしい……」
あの質疑応答は一生忘れられないたいせつな永遠の一瞬となりました。そして《求道性》の《はじまり》となり、《いま》《ここで》僕を支えてくれているんです。
キリスト教Q&Aシリーズ3は、手にする読者を、永遠の求道性の《はじまり》の一瞬へと導いてくれるでしょう。
現代を生きる者の生きた疑問の声に、生きたことばでの正統的回答。ぜひともあの人に、この人に、手渡したい一冊なんです。