ブック・レビュー 『せいしょのおはなしQ&A 112』
杉本玲子
新生キリスト教会連合・町田クリスチャンセンター牧師夫人
小学生の子どもたちにぴったり、教会学校の教師にも役立つ
聖書絵本やえほん聖書など、幼児のための読み物は多いのに、小学生のための信仰書は意外に少ないと思います。今どきの小学生は、マンガなら読むけれど、活字は無理なのでしょうか? そうでなく、今まで小学生のための本が少なかったのではないでしょうか。今回、小学生低学年の子どもたちにぴったりの本が出版されました。「せいしょのおはなしQ&A112」です。「創世記」から「使徒の働き」の百十二のお話の中から、子どもたちの質問に答えて語りかけるような形式になっています。一頁に二つの質問にまとまっていて、とても読みやすいと思います。しかも、有名な箇所についての質問だけでなく、「カナンの王ヤビンをたおしたのはだれ?」「ベルシャツァル王がみたのはなに?」「ネヘミヤがおつかえした王さまは?」など、結構レベルの高い質問もあります。
字は基本的に平仮名で、漢字にはふり仮名がついていて、小学一年生でも一人で読めます。内容的には、高学年のお友だちも知らないことがたくさん載っていると思います。
イラストは細かい所までこだわっていて、フルカラーで、とにかくとてもステキです。
親子で聖書を読んだあと、クイズ形式にしてもいいでしょうし、子どものお祈り会などの教材にもぴったりでしょう。子どもたちが興味をもったところで、「じゃあ、聖書を開いてみようか」とつなげるという方法もあると思います。幼児には、絵を見せながら、たっぷりお話を聞かせてあげたくなります。
教会学校の教師にとっては、絵を描いたり、カットを用意したりするためにも役立つに違いありません。絵を見ながら祈っていると、イメージがふくらんで、良い子どもメッセージが生まれそうな気がします。
希望を言わせていただくことができるなら、このような本が一冊だけでなく、今後、シリーズで出版されることを願っています。また、小学生の高学年向き、中高生向き、とさらに幅が広がっていってほしいと期待しています。